僕たち将棋同好会ですが、決してネクラではない珍獣の集まりです
羽弦トリス
第1話登場人物
「後手、3九角打つ」
記録係の中野大樹が棋譜を読み上げる。彼はこの高校の将棋同好会の会長だ。
将棋は似合わないような体格と顔の作りをしている。
「あっ、しまった!今の無し!」
と叫ぶのは自称アマ六段のバカ、長谷川だ。
「ダメだよ、待った無しなんだから。大体、相掛かりの戦型で5六歩を突くかね?」
そう、言うのは福田和也。
長谷川は将棋盤上の駒をバラバラに混ぜた。落ちた桂馬を拾ったのは森田。
森田はバスケ部だが、たまに将棋同好会に顔を出す。
スポーツマンだが、頭脳労働を得意とする。
「長谷川、また本を読んで、棋譜並べしたほうが良いよ」
「うるせぇ森田。一戦指そうか?」
「いいよ」
今度の棋譜読み上げは、竹内あゆみ。巨乳だ。女子だが将棋好きで、同じ2年2組の西村舞と同好会に参加している。
15分後。
「まで、37手で森田君の勝ちです」
森田は席を立ち、
「長谷川、次からは二枚落ちで指そうか?」
「今日は、腹痛えんだ。……おっと屁が出そうだ!」
長谷川が渾身の力で放屁しようと試みた。
グジュッッ!ブリブリ、プス〜
「は、長谷川!お前」
と盟友の堀口タケシが言った。
「な、何の事?」
「お前、ウンコもらしたろ」
「……ちょびっとだけ」
「長谷川、立ち方が変だぞ!」
みんな、長谷川のお尻の膨らみを確認した。
「一本まるまるじゃねぇか!」
「何の事ぉ〜?」
同好会の連中は、教室の窓を開き換気した。
気付くと、長谷川の姿が見えなくなった。
彼は、静かに教室を脱出して帰宅しシャワーでかぶれた肛門を洗い流した。
取り敢えず、軟膏を塗った。すると、何だがまた漏らした感覚におちいる。
これが、同好会の面子だ。
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