現想

@aniandkou

第1話 始まりへ

真っ暗な虚空の中、一人の男が歩いていた。

目的もなく、何も見えず、ただひたすら歩いていた。

目からは涙、光など一切見えぬ

ボロボロの暖を取れなさそうな服と、刃こぼれによって何も切れそうにない刀。

「あ…あ……………う、うぅ」

表情は変わらずとも悲しみは大きくなるばかり

声は枯れ、涙も枯れ、友も家族も枯れ

希望の光なんてものは無いと思った。

しかしまだ終わりではない

復讐をやり遂げる

全てを奪ったやつからすべてを奪い返す

思いは全てを変える

彼の目に光が宿る

気のせいか刀と服も光に満ちているように見える

「現想は永遠に」

男の頭に見覚えのある人の言葉が流れる

自分が最後、しかしまだ終わりではない

何も見えない虚空に一筋の光が道を示す

一筋の光で見えた世界には数多もの闇が未知を示す

希望を見た

男は光の指す道を歩んでゆく

まぶしく光るその光は男を包んだ

‘‘光に満ちた‘‘


これは希望を見た男の話である。

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