第82話 最強の神獣、現れます
ダイアの作戦に苦戦しているフィオナさん。
「おやおや、よく学習しています。あの時に始末した方が良かったでしょうかね」
「そうかもしれないわね。私を生かして、学習させたことを後悔なさい」
「学習できるのは良きことです。この戦いでもっと勉強されると良いでしょう」
「黙れ! 上から目線で私に語るな!」
なおも激化するダイアとフィオナさんの戦闘。
「俺たちは、カイルの方へ行こう」
カイルが止まれば、ダイアも自然と攻撃をやめるはずだ。
本命はカイルなのだ。
フィオナさんがダイアを押さえてくれている間に、俺たちがやるしかない。
「……ぐぐぐ」
唸り声を上げ続けるカイル。
もはやまともな精神状態でない。
「今回は悪役令嬢ムーブでも無理だね」
「そうだな。まるで復讐鬼だ。もう話し合いでの解決は不可能だ」
「はあ、仕方ない。無理やり押さえつけるか。あたしは武闘派じゃないんだけどね!」
「すまない。俺もできる限りはサポートする」
勇者では主人公に勝てない。
それどころか、お荷物になる可能性の方が高い。
「サラマン……ダダダ。ウンディ……ネネネ」
カイルがウンディーネとサラマンダーを召喚した。
二匹の精霊はいきなり攻撃を仕掛けてきた。
炎と氷を同時に放つが、その攻撃はルビアがあっさりと無効化した。
以前も見せたように、ルビアには精霊の攻撃は効かない。
ブラックホールリゲインでかき消すことができるのだ。
ただ、それを抜きにしても、二匹の魔力が安定していないように見える。
カイルの体調が悪いのが原因だろうか。
「ぐ、おおおおおああああああ!」
カイルが頭を押さえて叫ぶ。
すると次の瞬間、地面が大きく揺れた。
「な、なんだ?」
膨大な魔力が暴走し、空間にヒビが入る。
そして、そこから魔物が出現した。
それは体長が10メートル以上ある巨大なドラゴンであった。
青く輝く鱗は頑強な魔力に覆われており、勇者程度の攻撃では、簡単に弾かれてしまうだろう。
「うわ、なにこれ。ドラゴン?」
「これは……ブルードラゴンか!」
カイルがテイムしたモンスターでも、最強レベルの神獣だ。
その強さはアビスちゃんを遥かに超える。
カイル……ついに本気を出すつもりだな!
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