学園ヒロイン全員死んだ!! (学園ヒロインと青春する予定だったんですが隕石が降ってきて一度死んだので、それどころじゃなさそうです!!)

加茂ユヅル

第0話 死は突然に!? 

 放課後の生徒会室。

 中央に置かれた正方形の机を囲むように男一人、女四人が座っている。


「みんなぁ! 今日はだな! 人間は死後どうなるかについて議論していきたいと思うぞ!」

生徒会長 鎌田 千佳かまた ちかは勢いよく手を机に叩きつけ皆の反応を見るように艶のあるオレンジ色の髪と小さな体を左右に揺らしている。


 その姿を見てすぐに、「はぁ」とため息をつきながらも女子副会長 庄司 瑠々しょうじ るるは組んでいた足を崩し、手入れの行き届いた黒髪を手櫛で整えながら椅子に深く座りなおす。


「またちーかまがなんか言ってる……副会長でしょ、責任もって対処しなさいよ駄犬」


「無茶言わないでくださいよ……というか駄犬じゃないし、瑠々さんも副会長じゃないですか……」


「え!? 会長の議題、最高じゃないですか!? なんか、こう……てつてつ的で! ねっ、茜さん!」

 

「それをいうなら哲学的ね。あんたが乗り気になるから千佳がいっつも調子乗んのよ、まぁいいわ……どうせ言っても止まんないし」


 会計 島波しまなみ ミーシャの肯定的な様子を見た、書記 秋月 茜あきつき あかねは、いつも通りねと言いたげな顔で立ち上がり、ホワイトボードに議題を書き出した。


「では、本日の議題は『人間は死後どうなるか』です。」

 そして俺、男子副会長大場 謙太だいば けんたの声と共に無事に議論は始まった───はずだった。


 ちょうど会長が挙手し、それを当てようとした頃だったと思う。

窓越しではあったがこちらに向かってくる大きな物体が見えた。巨大な石、それこそ隕石というに等しいもの。


「なんですか、あれっ!?」

「ん? どれだ? ……なんだあれ!?」

「まるで隕石みたい、どんどん近づいてくるわね」

「隕石ですか!? 私、初めて見ましたー!」

「あたしもーって! 関心してる場合じゃないでしょ! 逃げなきゃ!!」


 茜の声で全員が教室から逃げだそうとしたが遅かった。

 隕石が校舎に衝突する瞬間、俺は一つの教訓を得た。



 『災害時の避難は初速が大事』








 

 


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学園ヒロイン全員死んだ!! (学園ヒロインと青春する予定だったんですが隕石が降ってきて一度死んだので、それどころじゃなさそうです!!) 加茂ユヅル @Kamoyuduru

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