第5話 スピリチュアルは基本過去世だと知る。
だらだらと、よくなっているのかなっていないのかわからないままAさんのもとへ通い続けているうちに、姉がスピリチュアルの学校に通い始めました。
姉とは幼少期から仲が悪いのですが、姉の気分がいいと急に私に接近してくることがあります。姉は勉強を始めてご機嫌になり、私に接近してきました。
「ねえ、Bさんのセッション受けてみない? すごいの。私色々治っちゃった。光の存在がいっぱいいるよ」
光の存在ってなんやねん(似非関西弁)。宗教はもう勘弁やで(似非関西弁)。
姉も姉で色々抱えているのですが、この姉の「治っちゃった」、というのはごく一時的なものです。ナントカ効果、かもしれません。
勉強を始め、セッションという新鮮なものに触れて、舞い上がってしまったのでしょう。
Bさんは姉の通っていたスピリチュアル学校の卒業生で、プロとしてセッションをしており、その学校の卒業生の中で人気ナンバーワンの人でした。
人気があるからなかなか予約が取れないのですが、まあなんでもいいからやってみるかと思い予約をします。鰯の頭もなんとやらです。案外すぐ取れました。
家からも近かったので行くことに。ちなみに二時間二万一千円だったような。
もったいないです。はっきり言って。
で、今度はBさんのご自宅にうかがいます。
光の存在、全く感じられません。なんかほのかにグレーに見える。姉の言っていることは本当なのかな? と半信半疑になりつつも、セッションが始まります。
これがすごい。
でかい音叉を使って、部屋中音叉をガンガン鳴らします。
そして、「スピリチュアルカウンセラーは、過去世を見る(+諸々)」、とここで初めて教えられます。
前世を含め、過去世です。つまりいくつも過去世があるということです。
その過去世の因縁が今世にも続いており、それをクリアにしていくものだと言われます。
Aさんは説明不足でした。いや、多分霊を祓うだけだったので知らなかったのかも……。
スピリチュアルカウンセラーのセッションは基本過去世との因縁を断ち切ることから始まるようです。
そして今の自分は自分が創造し、全部自分でやることを決めてきたと。
これはスピリチュアルの専門家ほぼ全員言っていますが、私は懐疑的です。
女子高生コンクリート詰め殺人事件の被害者はあの事件を自分で選んだり自分で作ったりしたことなのかと。
あり得ません。
ちなみに私の卒論のテーマは女性への暴力です。あの事件を軸に書きました。
卒論であまりの凄惨さに泣きながら裁判記録を追いました。
ちなみにDVシェルターでボランティアをしていたこともあります。母親と子供の顔が痣だらけの人もいました。
まだ6、7歳の子供の性格が父親から暴力を受けて歪められてしまっています。
子供らしい無邪気さ、素直さが全くないのです。
普通の家庭で育った保育園や幼稚園の園児、小学生と、DVシェルターに来る子供が全く違う。
着のみ着のまま逃げてきた人もいます。
それらは自分で望んできたのかと。
そして、DVだけではなく悲惨な目にあっている被害者本人に直接それを言えるのか、と。
なので、「今の自分は自分で作った」とか「生まれる前に選んできた」、という説はものすごく懐疑的です。
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