第11話 いつか必ず ※ローレイン視点
私は、デーヴィスに捨てられた。まさか、本気で私を捨てるなんて思っていなかった。だけど残念ながら、彼は本気だった。
失敗したわね。デーヴィス専属のメイドになっていたから、彼の一存で解雇できる状況だった。捨てる判断まで早かった。早すぎた。
私のことを愛してるとか言っていたくせに、あっさり捨てた。許せない。
婚約した彼についていくために、ライトナム侯爵家のメイドからデーヴィス専属のメイドになる必要があった。屋敷を追い出されたのは予想外だし、戻ってくる未来なんて考えてなかった。
そのせいで、戻ってきた私には居場所が残されていなかった。結局、ライトナム侯爵家の屋敷からも追い出されることに。本当に、散々な日だ。
シャロットを屋敷から追い出した後デーヴィスが当主に、私が夫人の座を勝ち取るはずだったのよ!
今まであの女は大人しかったのに、急に屋敷から出ていけとか言ってくるし。あの程度のことで、こんなことになるとは思わなかったのよ。
デーヴィスも、不確かな情報を私に教えないでほしかったわ。そのせいで、大事なチャンスを逃してしまったじゃない。
やっぱり私の責任じゃなくて、デーヴィスの責任が大きい。彼は、その事実を絶対に認めようとしなかった。器の小さな男。
暮らす場所も失ってしまった。これから、どうしましょう。デーヴィスから貰った宝石のプレゼントなどを売り払えば、しばらくお金に困ることはないと思うけど。
このお金で静かに暮らす? 適当な平民の男と結婚して、慎ましやかに生きる? そんな馬鹿な。
私のことを捨てたデーヴィスと、屋敷から追い出したシャロットには必ず復讐してやる。それから、メイドとして再雇用してくれなかったライトナム侯爵家の当主にも仕返ししてやらないとね。
そのためには、どこかの貴族家に潜り込んで、力を手に入れる必要がある。侯爵家よりも上の爵位を持つ貴族家で、私の魅力を見せつけて取り入るしかないわ。
この美貌を活かせば、きっとなんとかなるはず。自信があった。
「許さない。あの女も、あの男たちも。いつか必ず……!」
彼らを絶対に後悔させてやると誓って、私は動き始めた。
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