桜の下には秘密が埋まっている

くれは

プロローグ

 静まり返った校庭に、金属が砂利にめり込んでいく音が響く。

 

 じゃ…、じゃくっ…ざざっっ…


 いつまでも、続いている。


 …やがて、シャベルの背で、地面をとんとんと叩く。


「…を埋めた…。これで、ずっと、二人は一緒だ。…誰にも邪魔されない」


 漆黒の夜を、掻き分けるように、ひとむらの風が吹き抜ける。


 風に煽られて、桜の樹々が枝を一斉に揺らす。


 その瞬間、滝のように花びらがくうを流れた。


 そして、掘り返されたばかりの地面を、薄紅色で埋め尽くした。


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