多分想いは繋がらない

あんちゅー

笑顔は心の嘘

あなたはどうしようもなく騙されやすくて


どこまでも健気で


その愛くるしい表情に


みんな多分好きになってしまうから


大きなお世話かもしれないけれど


誰とも関わらない方が良いよ


彼女は甘ったるい笑顔で言う


私は大丈夫だからって


こちらの心配なんてよそに


一層誰かを信頼していて


必ず誰かの期待に応えようとした


裏切られて傷つけられても


なのに苦しげな表情を浮かべることもなく


笑顔を張り付けにして


だから彼女は変わらなくて


変わらない事に気が付かない人は


より一層彼女が好きになった


自分達の都合だけを優先する愚かな人達が


心地の良い安らぎに顔を埋める破廉恥な表情が


醜くって気味が悪い


だから私は


そんな人々と反対に少しずつ嫌いになる


私の事をなんで分からないのと


彼女に詰寄る夜が増えていく


のらりくらりとかわされる悲しみと


愛情は理解されないまま腐っていくのだ


吐きそうな甘言に変わっていく理想は


救いようがないのだと


泣き腫らして家から出られない程の


浮腫んだ顔を鏡で見て思った


彼女は帰ってこない


人の良さと優しさと


快楽とか優越感に苛まれて


求められる事を求められるだけ


愚かさに注ぎながら


醜く朽ち果てるのを待つだけの


得体の知れない肉塊にまで堕ちていく


私は私が死ぬまで


死んでからも


この張り付いた笑顔を剥がすことは無い


私の体と心は切り離された別なもの


繋がることの無い


ただ愚かな理想が包んでいって


いつの間にか別人になるのだ


あなたはそれでいいのかと


私の事は好きではないのかと


今は見えなくなった私に問うてみれば


虚しく響く現実が私自信を弱くする


いつか消えてしまっても


彼女は気が付かないのであれば


不相応な生が罪に思えてきて


あぁ、いつか繋いで欲しい


淡い期待は私のもので


あなたのものでは無いのです


目をつぶると暗がりが広がって


甘い香りが広がって


私は夢のように消えていった


彼女はまだ張り付けの笑顔を浮かべている


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