狩られるものども

博雅

第1話 はじまりは図書館にて

”私は、彼を呪いで刻んだ。彼を愛したが故に – 。


僕は今、大学図書館の書庫の横に誂えられた机に座っている。明るさがいささか心もとない読書灯の元、探していた文献を棚で見つけた折、そのすぐ隣に古ぼけた日記帳のようなものがあった。なぜそれを開こうと思ったのかは定かではないのだが、どうしてもそれを開いてみたいという気持ちが勝る。本はやや不格好な形で膨らんでおり – 、開いてみると、掌に収まりそうな大きさのロザリオが落ちてきた。

 ロザリオを取り敢えず脇に置き、日記と思しき手帳を手に取る。開くと、淡麗な文字で連ねられたその文章が目に入ってきた。


さらに頁を捲ってみる。

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