フクロウ忠臣蔵
博雅
プロローグ ~ 梟侍
時は令和。フクロウやミミズクたちが、将軍・徳河フク吉による統治下、刀を佩いて街を闊歩していた代のこと。ある日、亜光藩主の淺野ズク之頭が、ヱド城中・梅の廊下にて、上司にあたる吉良メンズク野介の額に切りかかるという事件が勃発した。淺野は即日切腹、吉良お咎めなしという状況に亜光の侍フクロウたちは驚愕するとともに、憤怒でその心を満たし、誰もが絶望の縁に立っていた。切腹、あるいは籠城による抗議なども詮議されたが、家老であったシマフクロウの大鷲内蔵助はあえて無血開城を選んだのである。ただそれだけでは浪フクロウたちの気がすまない。首領の内蔵助は数回にわたる会議を経て、穏健派と急進派との仲介を取り持ちつつ、主君の仇を討つ為のとある計画を立てたが、気取れられないよう、あえて遊郭遊びの限りを尽くす生活を続け、幕府の目を欺いていた。愛想を尽かして、あるいは真意を知らずして脱退する浪フクロウも何羽も居た。
討ち入り決行の日の正午あたり。内蔵助はまた、そして「まだ」遊郭に居た。最後の最後まで仇討ちを悟られないためである。
この物語は、ある花魁フクロウと内蔵助の繋がりから紡がれることとなる。花魁が見た内蔵助は、どのようなフクロウ侍だったのか。彼女にとって、内蔵助とは。彼女にとって、シマフクロウのフクロウたる『何か』とは。
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