いらない子扱いの美少年王子に転生した僕。僻地からの無双始めます
REI KATO
1 転生直後
第1話 中世の王子に転生した?
僕は28歳、なろう好きのゲーマーだ。
引きこもりだけど。
いつもの通り、大好きなチョコレートと
コーラを口に運びながら、
PCをオンにしてラインを繋いで……
ゲームに繋がったと思った瞬間、気を失った。
「お坊ちゃまが目を覚まされました!」
僕が目をさますと、
メイド服を来た若い女性が騒ぎ立てる。
慌てて部屋に入ってくる30歳ぐらいの男。
セバスって感じの。
「おお、坊ちゃま、よく回復なさいました!」
なんだか、形相が必死だ。
「この症状、眠り毒に間違いないと医者が申しておりました。私がついていながら、なんたる不覚!」
涙ながらに語るセバス(仮)。
「おにいさま!」
そう勢いよく扉を開けて飛び込んできたのは、
実に可憐な美少女だった。
「ああ、回復されたのですね!」
号泣して、僕の布団に抱きついてきた。
その瞬間に思い出した。
僕は8歳、デル・テスタ王家三男ロレンツォ。
高熱が出て寝てたことを。
若い女性はメイドのフィナ17歳。
執事(仮)は、本当の執事だった。
名はランベルト28歳。
美少女は妹のセリアージュ、通称セリア。
年子で7歳。
え、じゃあゲーマーの記憶は何?
僕は日本人だ。
ついさっき、ゲームにインしたばかりだ。
あんなに生々しい記憶、絶対夢なんかじゃない。
じゃあ、今が夢ってこと?
違う。
頭の中にある記憶もとても生々しい。
僕の頭の中には2つの違う記憶が同居している。
ひょっとして、あのゲームに入り込んだ?
ゲームという線はないな。
だって、ハマってたゲームって未来的なFPSだ。
ここはそんな雰囲気が微塵もない。
むしろ、中世?って感じだ。
だって、三人の格好がコスプレだ。
もしかして異世界転生?
ボクは混乱したまま、頭の中で整理してみる。
僕は高熱が出た。
多分、毒のせいだ。
医者は眠り毒と言っていた。
毒殺されかけたのだ。
ひょっとして、この子は死んじゃった?
そこへ僕が転生した?
なろう系大好きな僕はナイスな予想をたてる。
だとすると、可愛そうな少年よ。
でも、僕もいきなり転生されて可愛そうじゃ?
というか、転生したのなら、女神様とか出てきて、
「好きなスキルを選びなさい」
とかニッコリしてくれるはずなのに。
まあ、細かいことはいいか。
それにしても、味見役とかいたんじゃないのか。
すると、執事のランベルトはこう答えてくれた。
「坊ちゃま、まったくの私どもの不覚。しかし、この眠り毒は本来は毒性が極めて弱く、鑑定でも毒と表示されないのです」
「それでも効いちゃうんだ」
「はい、長期にわたりこっそりと食事に混ぜるのです。体力のない幼い子どもには致命的な毒になります。発症すると、高熱が出て数日は眠り込み、そのまま死に至ります。だから、眠り毒と呼ばれています」
「食事係が噛んでいたのか」
「おそらくは。先日から一人の食事係が行方をくらましております。始末されたのではないかと」
そんなのがあるんだ。
うろうろと起き上がろうとするが、体が動かない。
「まだまだ、十全に回復しておりません。しばらくはご静養なされよ」
と諭す執事ランベルト。
侍女のフィナはお粥のようなものを持ってくる。
牛乳入りのオーツみたいだ。
嫌いじゃない。
でも、あんまり食の進むものじゃない。
「お好きなオーツ麦の牛乳粥ですが、病気のせいでしょうか」
心配するフィナ。
ロレンツォは好きだったかもしれないけど、
僕はオーツってそんなに好きじゃないんだ。
「クション」
「ああ、お坊ちゃま、お風邪を召されましたか?今は春先ですから、まだ寒いですものね。暖炉の火を強くします」
ここの天気は前世日本とあまり変わらない。
24時間、一月30日、一年360日12ヶ月。
今は3月か4月といったところ。
コタツが欲しいけど、この世界にはない。
―――――――――――――――――――――――
ブックマーク、ポイント大変ありがとうございます。
励みになりますm(_ _)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます