僕(♂)が男女比1:99世界のお嬢様学校で勃起しちゃ駄目ですか? ~チンチンゼロから始める99:1の割合でツンデレる没落クーデレ令嬢様との女装同棲生活~
プロローグ(1/2) 僕は1:99の男女比世界で、勃起できなくなった
僕(♂)が男女比1:99世界のお嬢様学校で勃起しちゃ駄目ですか? ~チンチンゼロから始める99:1の割合でツンデレる没落クーデレ令嬢様との女装同棲生活~
🔰ドロミーズ☆魚住
プロローグ 1:99の男女比世界と、99:1の割合でツンデレる恋愛クソザコお嬢様
プロローグ(1/2) 僕は1:99の男女比世界で、勃起できなくなった
「――近代では100人の人間がいれば女性99人に対し、男子は1人の割合しかいない。故に男性は貴重で保護されるものとし、国家政府によって様々な男性優遇措置が施されている。しかし、昨今では学校に登校拒否をする男子生徒が多数出ているというのが社会問題になっている」
「はい、
女性しか存在しない教室の中で近代社会の教科書の一文を音読した僕は先生から目で席に座るよう促されたので、高校ならばどこにでもあるような木製の椅子に腰をかけてゆっくり座ろうとした矢先……その際に生じた人の声に思わず耳を傾ける。
「ぐへへぇ……!
「先生! 隣の子が……! 隣の席の子が! 光輝お姉様の声が良すぎて死にましたわ! 鼻と耳から血をドバドバとクソ下品に出してご逝去あそばれましたわ! 光輝お姉様の妹になるライバルがまた1人減ってラッキーですわ! ざまぁですわ!」
「……これで本日4人目ですか。はい、ほっといておいてください。どうせ勝手に蘇ってまた死にますので。取り敢えず後で成績下げておきますね。全く聖エーテルフィギュア女学院の淑女たる者の心構えを常日頃から意識するように。ここは日本全国有数のお嬢様学校なのですよ?」
「そんなの無理ですわ! だって先生、光輝お姉様をご覧になられて⁉ 印象的な大きなルビーのような紅の瞳! この朝日さえも弾き輝く銀髪! 透き通るような白い肌に、遠目から見ても分かるぐらいの大きな
「あぁ! また恋愛クソザコお嬢様が死にましたわ! ですが気持ちは分かります。であるのであれば、ついでに私も死にますわ! あっ、駄目ですわ! 光輝お姉様好き好き大好き汁が出――ウッッッ!!!」
(……お嬢様学校の姿かな、これが……?)
内心でそう毒づきながらも僕は周囲を見渡す。
教室の中は見渡す限りの女子に女子、女子。
僕の声が良すぎたが為に、感動の涙を流す女子に脳を破壊されたり女子で溢れかえるような、約30人もの女子たちがいる訳なのだけど、お嬢様学校、つまりは女子校なのだから当然と言えば当然だろう。
もしここにうら若き乙女以外の存在……男なんてモノがいようものならば、そんなものは只の異物でしかない。
そういう意味合いでは、ここは確かにお嬢様学校なのかもしれない。
だがしかし、そういう意味合いでは、ここはお嬢様学校だとは言えないのかもしれない。
「全く……それでは次の文章を
「はい」
ひんやりとした、いかにも真面目で遊びというモノが一切入っていないような声。
無駄という無駄を省いては殺し、感情を殺し、そして最終的に残されたかのような透明感のある声はまるで鍛えられた刃物を連想させて、彼女の声を聞く僕の首筋を寒くさせる。
「我が国では16歳以上かつ、正常な精子を有する健康優良男性児は月に1度、国に精子提供をする義務がある。対し、私たち女子は性成熟期に移行した18歳以上になってから、国家機関から任意で精子提供を受けられ、人工妊娠する事が出来る」
下手に緊張して周囲に嘲笑われるような固い声ではなく、聞く人間の背筋を自然と伸ばさせるような適度な緊張感を催させるような声であり、教室にいる誰もが彼女の一言一句の前に、口と気持ちを引き締められる。
そんな彼女の声は例えるとするならば……100点満点の試験で100点以下を取ってしまう訳でもなく、100点以上を叩き出す訳でもなく、ぴったり100点を取ってしまうかのようなそんな声。
優しいとは口が裂けても言えないような冷たい声ではあるけれども、それでも僕は彼女の声に聞き入ってしまっていた。
「はぁ……
「硝子お姉様は『東洋の芸術』と言われるほどの美人ですものブヒ。アレで私たちと同じ年齢だなんて信じられませんわブヒ!」
僕がやった時と同じように彼女は教科書の一文を読んだだけで教室内をざわめかせては教室を一瞬にして養豚場にへと変えて見せる。
しかし、それも仕方ないと思えるぐらいに、彼女は美人だった。
研ぎ澄まされた名刀を思わせるような冷たさを思わせるような、天上人を思わせるような、そんな独特な威圧感を放つほどの美人だった。
「……」
思わず、彼女の横顔を見る。
僕と同じ高校生3年生の彼女は他の女子が霞んでしまうほどの美人で、本当に吸い込まれてしまいそうになるぐらいの独特な雰囲気を有している。
童顔ながら目鼻立ちが整っていて気品があって、氷のように冷たそうな威圧感とは対照的にほんわかと柔らかそうな肉体。
意志の強そうな瞳が良く見える短めの前髪に、鎖骨より下、けれど胸元より少し上ぐらい長さにまで伸ばしたセミロングヘアーは栗茶色に輝いていて、ゆるふわそうな雰囲気と鋭い威圧感。そして、可愛さと綺麗さとカッコ良さがバランス良く同居しているとでも言うべきだろうか。
世界で一番顔がいいのは誰かというアンケートがあれば余裕でランキング上位に組み込みそうな顔面をしているのが彼女であり、東洋の芸術だとかいう二つ名も頷ける話なのであった。
「……あ」
そうこうしている間に教科書の一文を音読している彼女と目線が交わる。
1秒、いや0.1秒にも満たない沈黙が教室内に満ちて、彼女は何もなかったと言わんばかりに僕から視線を逸らして音読を淡々と遂行していた。
流石に見過ぎたかなと自己反省した僕は視線を自分の教科書に向けて、音を経てないようにページを繰り続け、保健体育の教科書に例のモノがあるかどうかを戯れに探してみたのだけど。
(……ま、ある訳もないか。お嬢様学校の教科書なんかに男性器なんて……)
男性の生殖器だなんて、今時の女子が見れるモノなんかじゃあないし、そういう知識を得たところで1:99だなんていうバランス比の所為でこれから先の人生で何の役にも立たない。
恐らく、僕も含めたこの教室にいる数多くの女子生徒は希少になった男子と付き合う訳もなく、国家機関による精子バンクだとかそういうところで人工妊娠するのが大半なのだろうけれど、ここ聖エーテルフィギュア女学院は筋金入りのお嬢様学校。
(……とはいえ、ここは社長令嬢だとか金持ちのボンボンが多数いる訳だし……男なんて金で買えるお嬢様でいっぱいの巣窟なんだよね。本当、なんでこんなところに僕がいる事になったのやら……)
思わず吐き出しそうになる嘆息を何度も飲み込んで、耳ざわりの良い彼女の声に耳を傾ける。
今にして思えば、僕がこんなお嬢様学校にいる事になったのはあそこで涼しい顔で音読している琴見硝子という美少女が原因だった。
あの日、彼女が不登校になっていた僕をこの学校に来ないかどうかを誘ってきたからこそ……いや、あの時の僕も今の僕にもこのお嬢様学園に行くしか選択肢なんて無かったのだけど。
(確かにここは、前いた男子校よりかは良い場所だとは思うけどね……凄いんだよね、心痛が……)
正直に告白すると、僕、
見た目が完全に女子だから、こうして女学園に女性として偽って編入してきた。
こんなのは良くある話だろう。
だけど、女性の皆様に関しましてはどうか安心して欲しい。
僕の男性器は、もう二度と勃起できないのだから。
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