第24話 ラブホの高級ルームで一夜を明かす

 行ったことのないホテルを検索。

 現在地からかなり離れた場所に、大型のラブホがあった。一室にカラオケやビリヤードやダーツなどの娯楽が入っているほどの規模らしい。

 料金が高いけど、せっかくの機会だ。


 タクシーを捕まえ、移動した。


 ホテルの名は『アルカディア』だ。理想郷という意味があるらしい。……納得した。


 ビルのような外観で、五階はありそうだった。



「お~、ここもデカいね、両ちゃん」

「ああ。ラブホとは思えない規模だよ」


 タクシーの料金を払い、そのままホテルへチェックイン。

 高級ルームを取って向かった。


 通路を歩いていると、どこかのカップルと遭遇した。


 あれは……って、まさか。



「あれ、相良か! また会ったな!」

「な……永倉!?」


 またラブホで会った……偶然にしても出来過ぎだろ!

 てか、コイツ、この前とは別の女性を連れ歩いているじゃないか。どんだけモテるんだよ。



「やあ、亞里栖ちゃん」

「……こ、こんばんは……」


 さすがに気まずすぎて亞里栖は、顔を赤くしていた。


「今日も可愛いねぇ」

「……あぅ」


 まるでナンパみたいに甘い言葉で褒める永倉。俺はカチンときて遮った。


「永倉。これ以上、亞里栖に近づけばお前を指パッチンで塵にしてやる」

「なんだそりゃ。まあいい、楽しんでこいよ、相良」

「うるせぇよ」


 ニヤニヤ笑いながら永倉は、女性を連れて去った。アイツは普段から、女性とラブホに通っているのだろうか……。

 イケメンの特権すごいな。


 そういえばマッチングアプリで出会っていると言っていたな。


 ああ、前にネットの記事で見たことがあった。

 イケメンは高確率で女性を釣れてしまうんだよな。陽キャのノリであっと言う間にヤリモクで会えてしまうのだと……羨ましいね。


 いや、羨ましくない!


 俺には亞里栖がいる。これ以上の贅沢はないだろッ!



 部屋に入った。



 高級ルームなだけあり、かなり広い。

 個室でカラオケとダーツが設置されていた。こりゃ、凄い。一日遊べるな。



「お~! 両ちゃん。この部屋は凄いね~!」

「うむ。さすが高級。貴族のベッドかな」



 マッサージ器まで設置されているし、もうなんでもありだな。



「わ、こっちに衣装とか大人のオモチャもあるよ。サービス良いね」

「ちょ、亞里栖。それマジか」

「うん、こっちに」



 奥の部屋に衣装ルームがあって、そこには制服やナース、巫女さんなどの衣装があった。大人のオモチャも選び放題。こんな部屋まであるとは……。

 確かに、料金もかなり高いからなぁ。



「今日はコスプレしてもらおうかな……」

「……えぇ」

「なんで嫌そうなんだよ。シたいから来たんだろう? 俺の望みくらい聞いてくれてもいいだろ」


「お金はちゃんと払ってもらうよ?」


「きっちりしているなぁ」

「当然でしょ」



 やっぱり、まだお金は取られるわけか。まあいいか、亞里栖の為なら惜しくはない。甘い考えかもしれないけど、これで義妹を守れるなら……。


 さて、どのコスをしてもらおうか。

 やっぱり制服かな。うん、これだよな。

 今や亞里栖は高校を中退してしまっている状況。制服姿は拝めないのだ。なら、男のロマンでもある制服しかない。



「制服で頼む」

「へー…」

「なんで引くんだよ」

「き、緊張してるの……!」


 そういうことか。

 俺は大人のオモチャもいくつか選別。その間、亞里栖はシャワーを浴びにいった。あとで突撃してやろう。


 しかし、この部屋は凄いな。なんでもある。

 飲み物やお菓子もたくさん。

 夢の部屋だな。


 ぐるぐる回っていると、謎の電子音が聞こえた。



「なんだ? ――って、亞里栖。なんでダーツやってるんだよ」

「えっ……あはは。つい目に入って。でもダーツって面白いよね!」


「おまえなっ」



 何か腹立ってきた。

 ダーツ引き抜く亞里栖の背後に立ち、俺はそのまま襲った。



「きゃっ! りょ、両ちゃん。ま……まって。シャワー浴びさせて」

「大丈夫だ。俺はどんな亞里栖も受け入れる」


 今日の亞里栖は、地雷系の服。

 ありがちなピンクのブラウスと黒のスカート。正直、このままでも十分すぎる。


「でもぉ……」

「金ははずむ」


 そう言うと亞里栖は抵抗しなくなった。

 金に弱すぎだろ。

 だがいい、これで俺の望むままだ。

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