第29話 放浪

 埼玉西武エリアとは、所沢市、飯能市、狭山市、入間市、日高市のことだ。

 7月20日、蝉時雨の降り注ぐ中、所沢駅前で美咲が手品を見ていた。彼女は驚きと興奮を隠せず、手品師の巧みなテクニックに魅了されていた。周囲の人々も興味津々で、手品師のパフォーマンスに注目していた。美咲は微笑みながら手品を楽しんでおり、魔法のような瞬間に心が躍っていた。


 美咲が手品の奇術に見入っていたその時、突然の騒乱が所沢駅前に響き渡った。暴漢が周囲の人々を恐喝し、その不穏な挙動は街を混乱に陥れていた。


 しかし、混沌とした情勢の中、ポルシェに乗った朝倉が駆けつけた。エンジン音が轟く中、彼の姿は冷静さと威厳を湛えていた。暴漢を睨みつける朝倉の視線に、騒ぎは一瞬にして収束した。

「平静を保て!誰かがこの男を確保せよ!」

 朝倉の指示に従い、周囲の人々が結集し、暴漢を制圧する。美咲も、朝倉に対する感謝の意を込めた眼差しを送った。

 騒ぎが鎮まると、朝倉と美咲は静かにポルシェに乗り込み、その場を後にした。

 

 朝倉と美咲は飯能市にある名栗温泉にやって来た。付近には、名栗湖やさわらびの湯がある。

 名栗川の河畔に、一軒宿の「大松閣」が存在する。現在の若女将は、シンガーソングライターから転身したという異才の経歴を持っている。

 朝倉は久々にしたかったが、危険日らしく美咲に断られた。


 数日後、朝倉と美咲は湘南に到達した。車から降り立つと、眼前に広がる海岸の景色が目に飛び込んできた。潮風が心地よく吹き抜け、波が穏やかに岸辺に押し寄せる様子が、彼らを静かな感動に包んだ。


 朝倉は美咲の手を取り、二人で海岸沿いを歩き始めた。その足取りはしっかりと一致し、調和のとれた空間が漂っている。美咲は海の様子をじっくりと眺めながら、朝倉との心の交流を感じ取っていた。言葉にはできないが、確かな愛情が二人の間に漂っているのが分かった。


 海岸を歩みながら、朝倉と美咲はお互いの思いを確かめ合う。静寂に包まれた海の音が、二人の心をより深く結びつけていく様子が伺えた。

 2人は激しい戦いを続けながら、ラブホテルに立ち寄ることにした。ゲーム内でのキャラクターの疲労やダメージを癒すために、この場所を選んだのだ。


 ラブホテルに入ると、不思議な力がキャラクターに注がれる。美咲のキャラクターは不思議なエネルギーに包まれ、HPが全回復する。美咲のエッチなポイントはしゃぶるのが好きなところだ。バキューム音に朝倉はイキそうになった。

 美咲は疲れやダメージが一気に癒され、戦いにまた新たな力を注ぐことができるようになった。


 美咲はこの力の源を感じ取りながら、次なる戦いに備える。ラブホテルがキャラクターの回復の場所として重要な役割を果たす中、彼女の冒険はさらに深まっていくことだろう。

 美咲と朝倉は久々にした。

「あー気持ちよかった」と、朝倉。


 西武駅近くにあるアパートに戻って来たら、トイレの水が流れないのでヒヤッとした。スマホで調べ、クエン酸、重曹、お湯を使ったら流れた。

 タイヤチェックした。ノーマルのタイヤは4年で交換するのがメインだ。ノーマルのがもう製造から5年経ってる。100円玉で溝チェックしたら1の部分が出てた。「もうアウトだな」   

 朝倉は不意に亡くなった岡崎首相を思い出した。かつては都知事も務めた。彼女は足利義輝みたいだと思った。足利義輝[1536~1565]室町幕府第13代将軍。 在職1547~1565。 義晴の子。 三好・松永氏らの勢力が強く、将軍職は有名無実であった。

 足利義輝は上杉景虎の信濃出兵を認め、1561年(永禄4年)に、武田信玄によって駆逐され上方へ亡命していた前信濃の守護、小笠原長時おがさわらながときの帰国支援を命じていた。 また、上杉景虎の関東管領就任を許可して、御相伴衆の拡充をした。順風満帆だったが、永禄の変が勃発する。永禄8年5月19日(1565年6月17日)、室町幕府13代将軍足利義輝が、三好義継・松永久通らの軍勢によって京都二条御所に襲撃され、殺害された事件である。


 ある日、原島は『クライムクエスト2』ゲーム内のクエストで、自分のキャラクターを率いてインディアンの村に侵入することになる。彼は冷酷な手段を使いながら、村人たちを一人残らず倒していく。ゲームの世界では違法な行動でもあり、プレイヤーたちの間でも議論を呼ぶほどの非道な行為だった。

 しかし、原島はその残虐な行動によって、ゲーム内で大きな成果を上げることに成功する。報酬やアイテムを手に入れ、ゲーム内での地位を確立していく。その一方で、彼の人格にも変化が現れ始める。


 そして物語は次の段階に進み、現実世界での詐欺が合法化されるという社会的な変化が起きる。原島はこの変化を利用し、詐欺師としての活動を開始する。


 朝倉は、古代から続く歴史的な人物の中でも特に豊臣秀吉に心酔していた。彼は秀吉の勇敢さ、決断力、そして時には厳しいが正義のために立ち向かう姿勢に魅了されていた。朝倉は子供の頃から秀吉の生涯を学び、その功績や達成した偉業に感動し、自分も同じように偉大なことを成し遂げたいという夢を抱いていた。


 ある日、朝倉は自分の夢を実現するために、秀吉の足跡を追いかける旅に出ることを決意した。彼は史書や資料を熟読し、秀吉が歩んだ道を辿り始めた。最初は小さな町から出発し、歴史的な場所や秀吉にまつわる伝説が残る地域を訪れていった。


 旅の途中で、朝倉はさまざまな困難に直面することになる。道に迷ったり、食料や宿泊場所に困ったりしながらも、彼は決して諦めることなく、目標に向かって進んでいった。その過程で、彼は秀吉の苦労や努力、そして成功の背後にある真の意味を理解し始めた。


 やがて朝倉は、秀吉が築いた城や戦場を訪れるようになる。その中で、彼は歴史の中で秀吉が直面した困難や苦悩、そしてその克服について深く考えるようになった。彼は自分自身と秀吉を重ね合わせ、自分も彼のように立派な人間になりたいと心から願った。


 朝倉は有馬温泉の静かな露天風呂に浸かっていた。突然、露天風呂の向こうから美しい女性が現れる。彼女は甲斐のフィアンセであり、彼が亡くなった後も彼の研究を守り続けていた。浅井というのは甲斐のライバルだった男だ。朝倉の化けたゲームのキャラが浅井Dr.に瓜二つだったのだ。

「浅井さん、お会いできて嬉しいです。甲斐のこと、よくご存じですね」

 朝倉は驚きと同時に敬意を表す表情を浮かべた。

(甲斐を殺した張本人が目の前にいるなんて、彼女は知らないんだろうな?)

「はい、甲斐との関わりがあります。彼の研究や遺志を守ることが私の使命でもあります」

「それはありがたいです。甲斐もあなたの存在を信じていました」

 二人は静かに湯に浸かりながら、甲斐の遺志や研究について話し合う。彼女の存在に朝倉は震えた。熱があるときみたいな寒気がした。


 旅の終盤、朝倉は秀吉の最後の足跡が残る場所に到達する。そこで彼は一人黙って座り、秀吉の遺産や功績に感謝しつつ、自分の人生についても深く考える時間を持った。


 醍醐寺は、京都市伏見区醍醐東大路町にある真言宗醍醐派の総本山となる寺院。京都市街の南東に広がる醍醐山(笠取山)に200万坪以上の広大な境内を持ち、国宝や重要文化財を含む約15万点の寺宝を所蔵している。豊臣秀吉による「醍醐の花見」が行われた地としても知られている。「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている。


 

 

  

 


 




 

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