ユルシテクダサイ

俺は、学年1の美女、山中陽に告白された。


「どうして山中さんが俺を呼び出したんだ?」


「蒼太君に聞いて欲しい事があるの。」


俺は知っている。これは嘘の告白だって事を。昨日の放課後に女子達で集まって、色々とゲームをしていた。その時にババ抜きで負けた人は、田中蒼太に告白すると決まった。そして、負けたのは、山中陽であった。だからこうして、俺に告白して来ているのだろう。


「蒼太君。好きです。付き合って下さい。」


彼女に告白された。しかし俺は、


「嘘の告白なんて、いらないよ。」


「う、嘘じゃない。私は本当に蒼太君の事が…」


「良いよそんなの。俺は、お前とは付き合わない。それにスマホに音声収録してある。それじゃあな。」


そう言って俺は家に帰ることにした。


翌日俺は学校に行くと、みんなに睨まれていた。どうしてなのだろう。すると、少し遠くの方で山中が泣いている。俺が席に座った途端、女子達が集まって来て、みんなに『許さない』と言われた。男子からの視線も酷かった。俺は、ただ、嘘の告白を断っただけなのに、なんだよコイツら。俺の方が許さないからな。そう言ってさっき視線を飛ばした男子を睨みつけた。そして俺は、女子の方に向かった。


「悪いのは、俺じゃなくてコイツだ。何が許さないだ。罰ゲームを仕掛けたお前らが悪いんだろ。」


女子達は、急に静かになった。俺はむしゃくしゃしたので家に帰える事にした。すると、後ろから、山中の声がした。


「蒼太君。昨日はごめんね。」


「ごめんねで許されると思うなよ。」


俺は彼女を睨みつけ、自宅に向かった。

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