第39話 よそ見をした瞬間に
「思っていたよりも派手に壊したな」
買い物を終え、家の門の前に着いたログが呆れたようにため息をつきながら呟く。その後ろでマオとフランが少しうつ向いて立っている
「ごめんなさい……」
マオが頭を下げ謝ると、フランもペコリと頭を下げた。その様子を横目で見た後、目の前にある崩れて壊れた家を見て、もう一度ため息をついた
「フラン」
「はいっ!」
名前を呼ばれたフランが顔を上げ大声で返事をした。その声に驚いたマオも顔を上げた
「家を直せるか?」
「いえ、今は無理そうです。マオさんとの練習で大分魔力を使ってしまいましたので……」
「あっ、ごめんね」
フランの返事を聞いたマオがしょんぼりと呟く。それを聞いたフランがマオの右肩に乗り、頬に手を添えた
「フランが無理なら仕方ない」
と、フランの返事を聞いたログが不満そうに言うと、家の門を開け崩れ落ちた家を見渡し、門の中に一歩足を踏み入れた瞬間、マオが魔術で壊したはずのログの家が元の姿に戻って現れた
「えっ……」
驚くマオを門の外に置いたまま、家の玄関を開けると、振り向いてマオの肩に乗るフランに向け持っていた買い物袋を差し出した
「フラン、僕は少し休む。その間に夕食を頼んだ」
「分かりました、すぐに」
マオから離れ、買い物袋を受け取ると、フランから少し遅れて来たマオが買い物袋をフランから取った
「私も手伝うよ」
「ありがとうございます、助かります」
マオに返事をすると、マオが持つログが買ってきた買い物袋の中を確認しはじめた。マオも袋の中を見て、フランと何を作るか話し合う。玄関先で話し続ける二人を置いて、階段を上るログ。だんだんと話し声が大きくなっていく二人の方に少し振り返った
「フラン、僕は二階で休んでいる。不具合があれば、すぐに呼ぶように」
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