第37話 ちょっと一息ついても

「マオさん、ちょっと休憩しますか?」

「うん、休憩する……」

 マオがはぁ。と深く深呼吸をしながらフランに返事をする。少しうつ向きぐったりと疲れた表情で、家の壁に背もたれ、マオが庭に書いた魔方陣と本を交互に見て確認するフランを見て、またふぅ。とため息をついた時、目の前に突然コップが現れ驚いて

顔を上げると、隣でコップを差し出すログが立っていた

「ありがとう」

 暖かい紅茶が飲み物が入ったコップを受け取り、ふぅ。と一息を吹き、ゆっくりと飲みながら、ふと顔を上げログを見ると、フランにコップを渡して、二人で色々と話をしていた。ボーッとその様子を見ていると、マオの視線に気づいたログがこちらを見て、はぁ。と一つため息をついた

「見ている限りでは無理そうだな、これで学園のランクを上げるとか言っていたのか」

 そうログが呆れたように言うと、マオが少しうつ向いて持っていたコップをぎゅっと握った

「いえ、最初練習していたよりも、大分魔力も上がり、魔術の安定しています。大丈夫だと思います」

 と、フランが言葉強めに言い返すと、練習している魔術が書かれた本がログの前に来て、独りでにパラパラとページをめくりはじめた

「フラン、誉めて伸ばすのは構わないが……」

 ログがそう言うと、読んでいた本がパタンと閉じられ、マオの目の前へと移動しはじめた

「術を間違えている」

「えっ……!」

 マオとフランが驚いた声を上げ、マオが本を取りページをめくる。フランもマオの左肩に乗り、一緒に本を読む

「ご主人様、どこですか?」

「それを教えたら勉強にならないだろう」

「でも、どこが違うの?」

 二人で本を食い入るように見て時折書かれた魔方陣を見る。しばらくすると、フランが本のページをバラバラと荒くめくりはじめた

「分かりました!私としたことが……!」

 そう言うとバタンと本を閉じ、マオの服の袖をつかんでグイッと引っ張った

「マオさん、すぐに練習再開しましょう!さあ早く」

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