第25話 気づいた気配の先に
小鳥達が消えて数時間後、窓の修復と学園の授業が終わったマオが一人トボトボと街中を歩いていた。ふぅ。と一つため息をついて、フランと行ったことのあるスイーツ店を見つけ、寄り道しようとお店に近づいた時、お店の窓から外を見るログを見つけた
「ログ、フランは?」
背後から声が聞こえて紅茶を飲もうとしていたログが手を止め、テーブル向かいの席に座るマオをちらりと見た
「さっき休むといって消えた」
そう言うと、持ったままの紅茶を一口飲むと、ふぅ。と一息ついてそっと紅茶の入ったコップをテーブルに置いた
「さっきの怪我を治したり、ここ数日、魔力を使いすぎているからな。仕方ない」
「ログは平気なの?」
「僕は特に魔力も術も使っていないから」
ログの返事を聞いてマオが少しうつ向いた。しばらく二人が無言のまま過ごしていると、お店の店員が席に来て、マオがあれこれと注文をする。ついでにログも紅茶のおかわりを注文すると、マオがログの右側にある数枚重ねて置かれているお皿を見つけ指を指した
「ところでこれ全部フランの?」
マオに聞かれてログがお皿の方に目線を向け、はぁ。とため息をついた時、マオの前に、眠そうに目を擦るフランが現れた
「フラン、大丈夫?」
「あれ、マオさんでしたか。またあの鳥達の魔力を感じたので出てきたのですが……」
目を閉じフラフラと体を揺らしながら答えるフランをマオが心配そうに支えた
「フラン、ちゃんと休まないと」
「……はい」
小声で返事をすると、マオの腕に体を預けスースーと寝息をたて眠ってしまった。ちょっと食べずらそうに頼んだスイーツを食べるミオを見ていると、ログがおかわりした紅茶が来て、ふぅ。とまた一息つきつつ、紅茶を手に取り窓から見える外に目線を向けた
「ミオ、置いてくよ!」
ログとマオがいるお店の外では、少し離れた場所でお店の窓から見える二人の様子を見つめ立ち止まるミオがいた
「ごめん、ごめん」
いつの間にか少し先を歩いていたクラスメイト達に謝りながら駆け寄る
「何を見てたの?」
「んー、ちょっとね。なんでもないよ」
「そっか、それでね……」
クラスメイト達の話をエヘヘと笑って誤魔化すと、クラスメイト達は特に気にもせず、また楽しそうに会話をはじめた。その話を聞きつつ、少し振り返りさっき見ていたお店の方を見ると、マオが楽しそうに話しているのを見て、ミオも楽しそうにフフッと笑った
「これ以上魔力を無駄にする必要もないみたいだから、大会に向けてちょっと頑張ってみようかな」
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