第2話 挨拶が終われば楽しい会話を

「はぁ。やっぱりこの学園に入学なんてするんじゃなかったな」

 入学式やホームルームが終わり、校舎の屋上で一息ついでにお昼ごはんを一人食べるログ。周りには多くの生徒が集まりログのようにごはんを食べたり、会話をしたりと楽しんでいる

「ご主人様、お疲れですか?」

 突然、ログの目の前に手のひらに乗るほど小さく長くピンク色の髪をした女の子が現れた

「フラン、勝手に出てきたらダメだろ」

「すみません。でもちょっと暇で……」

 エヘヘと笑いながら謝るフランの白いワンピースが風に揺れた。笑うフランの様子を見ていると、フランの後ろから見覚えのある人物が現れた

「ログ!やっと見つけた!」

 突然、背後から聞こえてきた大声にフランが驚き、ログの背後に大急ぎで移動した

「探したよ!ここでご飯食べてたの?」

 マオが、ちょっと疲れた顔でふぅ。と深呼吸をしつつログに話しかけると、背中にちょっと顔を出してマオを見るフランを見つけ、疲れた顔から一気に笑顔になった

「この子、可愛い!もしかして、ログの使い魔?」

「はっ、はい。フランっていいます」

「私はマオ。よろしくね」

「はい、よろしくお願いします」

 マオがペコリと頭を下げ挨拶をすると、フランも二人の間に現れペコリと頭を下げ挨拶を返した。その時またそよ風が吹いて、フランのワンピースが少し揺れた

「可愛いお洋服を来てるね。ログが選んでいるの?」

「いえ、私がデザインしたのをご主人様の魔術で作って貰ってます」

「へー。ログのこと、ご主人様って言っているの?ログで良くない?」

「いえ、それは……」

 ちらりとログの方を見て困ったように返事をするフラン。ピンク色の長い髪がゆらりと揺れて、それをミオが嬉しそうな顔で見つめつつ、あれこれとフランに話しかけ続けた


「……二人とも何しに来たんだ?」

 ミオとフランが楽しそうに話し合い、ログは会話に入れず二人の様子をご飯を食べながら見ていると、声と視線に気づいたのかミオがフランを右肩に乗せログに話しかけた

「そうだった。今日はもう授業もないし、練習しないかなぁって思ったんだけど、フランに会えたからもういいや」

 そう言うと肩に乗せたフランに顔を向けると、フランがその視線に答えるように、まだ話足りないのか少し名残惜しそうな顔でログの側に移動した

「フラン、またね」

「はい、また」

 二人が手を振り合うと、ミオが杖に乗り空を飛んで何処かへと向かっていった


「本当に何だったんだ……」

 ミオが空を飛んで去っていった方角を見つめつつ

ログが呟く側でご機嫌なフランは、ログが食べていたご飯をつまんで食べた

「ご主人様以外と話すのは久しぶりでした。とても楽しかったです」

「ああ、そういえばそうだな」

 最後のおかずを食べたフランを見届けると、ゆっくりと立ち上がった

「今日はもう授業がないって言っていたからボクたちも帰るか」

「はい、帰りましょう。……あれ?でも」

「ちゃんと家はある。まだ見てないけど」

 ログの返事を聞いて、フランが嬉しそうな顔にログの肩に移動して座った

「お家があるのならそれは良かったです。それじゃあ、さっさと帰りましょう」

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