星屑

 大体自我というものを考えつめて行けば、自我、それから男女関係、子供、それを構成する共同の社会、ひいては世界全体の在り方、問題は始めからそこまで展開しているに極ったもので、自我について思弁が開かれると同時に、そうであり、十年、二十年の思弁をたどって、そこに行きつくというものではない。はじめから、そうに決まっており、問題は、そこから先にあるのである。

 敗戦、そして、この社会的混乱、そこで、ようやく、これではいけない、政治に目覚めた、などとは、バカも休み休み言うのがよく、自我について思弁の開かれた十何歳の年齢から、自我と社会、自我の在り方と同時に、社会の在り方というものは、表裏一体、離るべからざるものでなければ、全ての思弁がナンセンスであったにすぎないのである。

 そこから生まれるセンチメンタリズムは、猥雑じゃないか。純情好きというものは、とてつもなく人間の世界を歪めてしまうものである。そして、常に、現実的であり、実質的なものになろうと思う。自由万歳。俺が叫びたいのは、それだけだ。

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