曇天
女のあどけなさ、清楚、純潔、それは目覚める感じであった。それは、たしかに、花である。なんと、美しい犯罪だろうかと俺は思う。まるで、美しいこと自体が犯罪であるかのように思われる。俺は無貞操という訳ではない。たしかに先天的な犯罪者というべきだろう。もしかすると殺人ぐらいも――その想念は氷のように美しかった。鬼とは違う。花自体が犯罪の意志なのだ。その外の何物でもない。
俺は思想家ではない。でも、自分自身の思想を土台にして、きわめて気分的に、肉体のない、ただ魂だけの恋ということを考えていた。長々それを思い耽り、それが幻想的であり、気分的であることを疑りもしていない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます