第2話

でも、ゲームと同じで全裸で

始まるのはどうなのだろうか。

まあ、ゲームだからいいけど。

「お母さん!あのお兄ちゃん裸ん坊だよ!」

「こら!あんまり見ちゃいけません!」

やっぱり何か着た方がいいかな。

めんどいしいっか。

俺はゲームの開始地点である

サルリア城の玉座の間に行くことにした。


「よく来た勇者よ。この世界は

魔王によって闇に包まれようとしている。

そなたの光の力で倒してはくれぬか。

てか、なぜに全裸?」

どうやらゲームと同じく俺が主人公の

勇者らしい。

さあ、RTAの開始だ!

「では、いって参ります!」

「では、武器と防具の支給を。」

「いえ。必要ありません。時間の

無駄ですから。」

「え?いやでも全裸……」

俺はさっそくRTAを開始することに

した。

敵との戦闘、武器の購入などは

極力しないで魔王を倒す。

俺は王様の挨拶を終えると魔王城に

向かって走り出した。

町中を全裸で走っていることもあり、

かなり注目されている。

「あ、あの……」

あれは仲間キャラのヒロインだ。

RTAでは仲間にするのは大幅な時間ロス

なのでグリッチで回避されている。

RTA中だが、初のRTAなので

一応話かけてみることにした。

「これ良かったら着てください。

裸はみっともないので……」

周りからクスクスと笑い声が聞こえる。

ゲームではそんな要素無かったが。

「ありがとうございます。」

「あと、勇者様ですよね?

私は勇者様に仕えるよう、今日こんにちまで

修行してまいりました。」

そういえばこんな性格のキャラだったな。

「いや、急いでるんで。服ありがとうございました。」

「え?いや待って……」

長くなりそうなイベントなので

やっぱり無視することにした。

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