ソード・ワールド

@jiu07760

第1話冒険の始まり

ここはアレクトラ大陸の西方諸国オーファン

の首都ファンの少し外れたマイリー教会

その裏庭で剣の稽古をしている1人の若者

朝起きて剣の稽古が日課になっている。

「セイ」、「ハッ」っと声を上げ丸太を立てて

敵に見立て木剣を振り稽古に励んでいる

彼の名はローラン齢17歳の青年

とは言ってもこの世界では15歳で1人前とみなされるので彼はまだ司祭にも程遠いので半人前扱いとなっている。

教会のなかから彼を呼ぶ声が聞こえる

「ローラン、ローラン何をしている!?」

低く怒鳴るような声で彼を呼ぶ

そしてその人物が裏庭に姿を現す。

「またこんなところで剣の稽古か?

そんなことしている暇があったら神に祈りを捧げろ!!」

彼の名はジオ、ローランの父親であり

このマイリー教会の司祭

ファンには幾つかのマイリー教会や神殿があるがここは町外れって事もあり規模は小さいが

ジオの名は知らない者はいないぐらいの高位の司祭である。

「なぁ親父、いくら神に祈りを捧げても

この世界は平和にはならないぜ!?

やっぱりこいつ(剣)で道を切り開かないとな」

「何を言っておる

貴様ごときが剣を奮ったところで世界は変わらんわ」

今までに何回も行われたやり取りにローランもうんざりしてやれやれとお手上げ状態になってる

ローランは10歳の時にマイリー神の声を聞き

神の導きを得た。

ジオは大変期待し将来は王都の神官にするべく育てたがったか本人にその気は全くなく

それよりも世界に名を馳せる冒険者になるのが夢であった。

ローランは恵まれた体格を持ち身長は180を優に超え日々の鍛錬の成果もあり体つきもガッチリしていた。

ぱっと見た者は彼が戦士か何かで司祭候補だとはとても思はないだろう。

いずれここを出て冒険者になるそれが彼の抱いている野望だった。

「それよりローランきょうは王都の神殿に出向く日だろう

早く用意をしろ!!」

ジオはローランに言う

今日半年に1回行われる神殿の祭典の日だ

これには王族もくる正式な物でジオもそれなりの役割がありまたローランもその助手席という立場で参加しなければならない。

面倒臭い仕事だ、だがローランには密かに楽しみもあった。

それは祭典が開かれる神殿の長が剣の巫女ジェニであるからだ

剣の巫女ジェニと言えばこのオーファンを救った英雄の1人でありこのアレクトラ大陸でも屈指の剣の使い手でもあり王都ファンの最高司祭でもある超有名人。

半年前の祭典の時ジオがローランについてジェニに愚痴を言っていた時ジェニが冗談か気まぐれかでなら私が稽古をつけてあげましょうか?と言った

ジオは本気にしていなかったがローランは是非お願いしますと稽古をこい自己流の剣技を見てもらった、勿論ダメ出しの嵐でまともに稽古にもならなかったのだがその時に剣技を身につけたいのならとあるトレーニングメニューを課されていた、この半年それを毎日こなし訓練していた。

それをまた見て貰えるチャンスなのだ

面倒臭い祭典などとっとと終わらせて

ローランはそちらを早くやりたかった。

ローランはそそくさと祭典の準備をした。

祭典には王でもあるリジャールも参加している

リジャールと言えば元は冒険者でこの地を恐怖に落とし入れていた邪龍クリシュナを倒し

平和をもたらした英雄その仲間こそが剣の巫女ジェニとこの街の魔術師ギルドの長カーウェスなのだ。

元冒険者が今や王、ローランが夢見る英雄譚そのものであった。

祭典は半日にも及ぶものになっており

終わる頃には日はすっかり落ちかけていた。

祭典の締めくくりには酒や食事が振る舞われちょっとしたお祭りになっていた。

ローランは早速ジェニの姿を探し稽古の成果を見てもらうつもりだった。

だがその前にジオに見つかってしまう。

「ローラン何をしている?」

「貴様またジェニ様の手を煩わせるつもりなのか!?」

「違う!俺は今日まで行った特訓の成果を見てもらうだけだ!」

「またそんなこといっておる

それを手を煩わせるって言っておるのだ!!」

そんな言い合いをしていると

「大きな声で騒がしいわね」

年齢はそこそこいっているはずなのに色気を感じさせる声色で語りかけてきた。

「ジェニ様」

ジオがその女性を捉える。

ローランもそれにならい

「ジェニ様

お久しぶりでごさいます」

と膝をつく

「いいのよ楽にして」

ジェニはそう言うとローランを見る

そして「しっかり特訓は行っていたようね

前に比べて体幹が良くなってるわね」

「わかったわまた稽古をつけてあげましょう

あちらにおいでなさい」

といって稽古場へと誘われる。

ローランは待ってましたとばかりに準備する。

ジオは「ジェニ様そんなご迷惑を」

「迷惑などではないわ

男は常に強くなりたいもの

それは悪い事ではないもの」

と言って2本の木剣をとる

ローランは大き目の木剣を手に構える

「さぁ打ち込んで来なさい」

ジェニに誘われるがままにローランは渾身の一撃を振り下ろす

しかし2本の剣がローランの大剣の先端を捉え大剣は弾かれるローランはまだまだと渾身の一撃をまた振るうがその全てをジェニの扱う剣により弾かれ気がつけばジェニの剣が喉元に来ていた。

圧倒的な力の差を見せつけられる

半年の特訓を積んでも一向に埋まらない程の力の差を

しかしジェニは

「だいぶ剣筋は良くなりましたね

半年前とはみちがえるぐはいに

あなたの体から発せりる力なら

ゴブリン、いやオーガぐらいなら一撃で仕留められそうですよ」

と微笑めしく語った。

「しかし攻めは良くても守りがまだまだですね

でもだいぶと向上している」

と褒めてくれた。

「ジェニ様こやつ目にそんなお言葉を

かけないで頂きたいですな

また調子に乗って冒険者になるなどと申しますので」

「あら、別にいいじゃない?

冒険者も悪くないわよ?」

「ジェニ様…」

「私もかつては冒険者だったし

それに貴方もここに落ち着く前は冒険者だったでしょう?」

この言葉にローランは驚いた。

かつて父ジオが冒険者だったのは初耳だったからだ。

ジオは気まずそうに顔を顰めていた。

そしてジェニは

「血は争えないものね」

と楽しげに話していた。

教会に戻る道中ローランは気になっていたが

ジオは一切話さなかった。

夜遅く家に戻り寝支度をしていると

ジオがローランを呼び止め机に座らせた。

「ジェニ様が言っていた通り儂は昔冒険者をしていた事がある。

この地でお前の母親レーシアと出会うまではな

レーシアと出会いこの地に腰を下ろしお前が産まれ司祭となり今がある」

「出来ればお前にはこのままこの地で司祭となって欲しかったがそうも上手くいかんようだな」

と悲しくもあり嬉しくもあるように話していた。

そして1つ鍵をローランに渡した。

「教会端の納屋の鍵だ

そこに儂が昔使っていた道具などがある

好きに使え」

それだけ言って部屋に戻って行った。

ローランは早速納屋の中を覗いて見た。

そこにはジオが昔使っていたであろう冒険の道具が置かれていた。

バックパック、皮水筒、ロープ、ランタン、マント等冒険に必要な装備品が

古いものであるはずだがよく手入れされていて今も使える状態になっていた。

ローランはそれらを部屋にもって行き一つ一つ確認し冒険の準備にかかる

今日こそ自分が冒険者になる為の第1歩なんだと実感していた。

とはいえ冒険には路銀も必要になるが

それは今迄の助手の仕事等で貯めた物があり

少ないながらもそれで何とかするしか無かったが最低限の装備は譲り受けることで出費を最小限に収めりるだろう。

肝心の武器は街で買うしかないのだが

そんな事をしていると日が登ってくる時間に差し掛かっていた。

日の出と共に旅立とうと心に決めまたいずれ自分の名がしれたら戻って来ると誓い旅に出る。

まずは街に向かい冒険者の酒場に向かい

仕事の斡旋を見なければと考える

しかしここで主だった仕事をうけるのではなく

行先は決めていた。

このアレクラスト大陸の東方に位置する

大陸最大の都市オランを目指す

そここそが自分の冒険者としての活躍の場になるはずだと考えていた。

だからここではオランに向かうまでの路銀を稼ぐ為の仕事や道中の護衛などあればと考えている

とにかくまずは街に向かわなければとしゅっぱつする。

街に入る道すがら丁度マイリー神殿に差し掛かる手前で声をかけられる

「ローラン」

声を聞けばすぐ誰かわかった。

ローランは振り返り

「ジェニ様」と答える

ジェニは何故か微笑めしくしており

「やはり血は争えないようですね」

といいこれから出発するのかと聞く

ジェニは1本の大剣をもっておりそれをローランに差し出す。

「この剣はかつての冒険の仲間が使っていたものだが貴方への餞別代わりに差し上げます。」

その剣は銀製品であり中々の業物のように思えた。

ずっしりと重く振るうにはそれなりの筋力が必要になると感じた。

「これを上手く扱えるようになれば貴方も1人前それを心がけて精進しなさい」

そう言って渡された。

これから冒険が始める。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る