第八話迷惑な冒険者(レスティヒディオース)
第八話迷惑な冒険者(レスティヒディオース)
私はハルナとヤスナを戦わせることにした。
場所は……あの自分の頭に槍をブッ刺したラルファとその妹のリルファがいたアデル山道だ。
私はあいつらの戦いが終わるまでその辺をぶらぶらしとこっと
九分後
ぶらぶら歩くつもりだったけどつまんなくなってきて走ったんだが……『ウシゴメ』と日本語で書いてある街に着いた。
なぜ私が日本語が分かるかは……転移者と転生者のなかに『これが俺の国日本の文字なんだぜ!! まああんたらはわかんねぇか』とか『俺の名前はソウジ・シバザキって言うんだ。文字はこうな芝崎蒼司……あっ、つい日本にいた時の癖が…………』とか言ってくるやつがたくさんいたからイヤでも覚えただけだ。
異世界には日本って国しかないのかよ……くるやつくるやつ毎回毎回日本日本日本って……こっちはそれどころじゃねぇんだよクソがっ!!
そういや来たやつの中に『僕なろうとかで小説書いてるんだけど読んでみてよペンネームはバジルトンカツで…………』とか言ってる奴がいたな。こちとら小説読む時間なんかねぇんだよ……あっでも今は冒険者してるしあの頃よりは多少は時間が出来たらし……そもそもなろうってなんだよ何になるんだよ!! もしかして日本にはそんなやつが多いのかよ……だからめんどくせぇやつがギルドの窓口によく来たのか? 対応するこっちの身にもなってくれよ……冒険者だからってわっしょいわっしょいと持ち上げて褒めないとこっちが上司に殺されそうになるんだよ!! なんで褒めたくねぇやつを褒めなきゃいけねぇなんだよ……
それに薬師ギルドの薬のクレームを冒険者ギルドの私たち受付嬢が受けないといけないんだよ!!
ギルド違いだろうがちゃんと名前みろよ……でも仕事だから笑顔で対応しないといけねぇし……こっちはイライラしすぎて笑顔が崩れそうでヒヤヒヤしたんだぞ
愚痴はこのくらいにしないとな。まあ愚痴を言っても言わなくてもストレスは溜まるけどな
それにしてもこの街そこかしこから血の匂いがするな……ひでぇ有様だな。
多分あいつが原因か
その時全身血だらけの男が近づいてきた。
「テメェみたな……まあいいやこっちの世界に来てやっとやりたいことが出来たんだ……人殺しがな!! だからさぁお前も死んでくれよ!!」
「なあお前いくら嫌なことがあったからって殺すのはダメだろ……でも殺したくなる気持ちはとてつもなく分かるぞ!!」まあ勝手な想像だけどな
「テメェに俺のなにが分かるんだよ!!」
「お前のことなんか何も分かる訳ないだろ。……だからお前も私が味わった地獄も知らないだろだから私が味わったことの一部を……お前に味わわせてやるからよぉ覚悟しとけよ」
「やってみろよこのダボが!! その前に俺がテメェを一瞬で殺してやるからよぉそこんとこ安心しろ」
十二秒後
「お前弱すぎだろ!! えっなんでこの弱さでよく私のことを一瞬で殺すとか言えたな……まあ私も鬼人族じゃねぇから……やさし〜くいたぶってやるから、今のうちに思う存分後悔しとけ」
「ごっごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい………異世界転生出来てイキってしまっただけなんです。だから痛いのは…………いやだぁぁぁぁぁ」
グチャバキ…………
三十一分後
ビクビクッ
「も……うやめ……て…………ヒィィィ」
「というかやめてって言ったってさ……周り見てみろよ、お前に殺された人たちがいるだろ……お前はその人たちがやめてって言った時やめたか?……そうか今は答えられないか……んじゃ今治すから答えろ」
そして私はこいつを治した
「もう治さないでくださいよぉぉぉ……」
「答えろって言ったのが聞こえなかった?」
私はそう聞きながらこの男の腕を引きちぎった。
ブチブチ
「ギァァァァァァ……わわわ分かりましたぁぁ答えます答えますから、もうやめてください!! 俺はやめてって言われてもやめませんでしたぁぁ……これで……あはは、いいわけないですよね」
もうこいつジェイソンさんのところに連れて行こうかな、その方が早いよね
ジェイソンさんは私たち受付嬢にも優しかったし……一回だけ仮面を取ったところを見たことがあるけどその時のジェイソンさんかわいかったな
回想
ふうやっと今日の仕事終わった。
今日は二十四日ぶりになぜか帰れるし着替え……じぇっジェイソンさんじゃん……隠れよ
……ジェイソンさん何か言ってる
「はっ早くこの仮面を外した状態でも仮面つけた時みたいになれたら……でも素顔見せるの恥ずかしいし……でもでもせっかくならみんなと仲良く…………」
……ドン!!
やばい音鳴らしちゃった
「だっ誰が来ちゃった……はっ早く仮面を……はわわ落としちゃったよぉどっどうしよう……見られちゃってるよぉぉ」
「はい……どうぞジェイソンさん」
「キャァァァァやっやっぱりみっみないでぇぇぇはっ恥ずかしい…………」
なんだかジェイソンさんかわいいなぁ、そう思ったらジェイソンさんは受け取った仮面をつけた。
「んん、ありがとうすまないな。見苦しものを見せたな、今見たものを忘れろとは言わん……もう帰るんだろ、すまないないつも帰らせてやれず……これでもギルマスや幹部たちに言ってはいるんだが……あの人たち根性でどうにかなると思ってるから……今はそういう時代じゃないって言っても聞いてくれないんだ。だからせめて何かご飯を奢らせてくれ……いやでも上司とのご飯は気を使うか…………」
そういえばこの人はギルド内での強さはギルマスに次って私受付嬢たちの間で言われてるな……まあだって実際のところ幹部たちより戦場行ってるしな。
あと巷ではジェイソンさんはこの国じゃないところから来た勇者みたいなことを言われているのを聞いた
『レベルは幹部の上なのに戦闘では自分の方が強いのはなぜだ?』って昔ジェイソンさんが自分の部隊の部下に愚痴ってるのをジゼルとカフェに行っているときに聞いた。
「ご飯行きますかジェイソンさん? 私は行けますけど」
その時ジェイソンさんが仮面を外して私に泣きながら抱きついてきた
「あっありがとう……誰かとご飯行くの初めてだから嬉しくて……あっごっごめんね抱きついちゃってイヤだよね……もっもしかしてわっ私セクハラで訴えられちゃう!?」
「別に大丈夫ですけど……セクハラってなんですかジェイソンさん」
「きっ気にしないでこっちの話だから……それじゃあ行こっか」
そう言ってあとジェイソンさんは仮面をつけていた
回想終わり
本当セクハラってなんだったんだろうか……まあいい今をこいつをジェイソンさんのところに連れて行こう……その頃には二人の戦いは終わってるよな
戦いが終わったら二人から戦いがどんなだったか聞いとこ……それじゃあ最初から見とけよって話だよな
んじゃっこいつを持って全力で走るか!!
そして私はジェイソンさんのところに向かった。
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