第四話狂気のご褒美(ヴァーンズィニヒシュメルツ)

第四話狂気のご褒美(ヴァーンズィニヒシュメルツ)


私はハルナに毒の効果が出るまでの時間に盗賊の討伐依頼を受けた。

理由は前にゴブリンにやったことをいろんな人間で試したいから。

そう考えながら走っていると

「しゃあ盗賊発見……うん?女の子の近くに血だらけの男の死体があるな……まさか!」

そうして女の子と男の死体に近づくと周りには盗賊がいた……が盗賊が私にこう言った。

「おい!そこの嬢ちゃん早くここから逃げろ!あの死体みたいになりたくなかったら……早く」

なぜかと聞くと

「この死体は男の死体の近くにいる女がやったんだ!」

そう言われて男の死体をみると目玉はくり抜かれ、頭が真ん中あたりまで切断され、身体がバラバラにされ、さまざまな臓器が腹から出ていた。

この女の子がやったとは……思えるな、普通に、だってあのギルドで学んだからな強さと見た目は関係ないってことを。

そうと女の子が

「ラルファが悪い子だからお父様死んじゃったの?ねえリルファはどう思う?……リルファどこ隠れたのそんなに"ご褒美"が欲しいの?」

「……隠れてごめんなさいお姉様、やっぱり私お姉様が怖くて……」

「いいのよ別に、でもこれでお父様ともずっと一緒だね。このやり方だからリルファともいれるしね」

「……お姉様はこのためにネクロマンサーになったのですか?」

「いいえネクロマンサーになったのは自らの手で殺した人を殺した後も自分の物に出来るようにするためだよ!」

「それじゃあ私も……ですか?」

「ごめんねリルファあなたは大事な妹だから……やっぱり"ご褒美"あげるね」

「嫌だ嫌だ嫌だ、分かりました"ご褒美"以外のことならなんでもしますからそれだけはやめてください!」

「えー嫌だ」

そう言ってラルファという女の子は自分の持っている槍を自分の頭に刺した。

「あははははははっやっぱりこの痛みがいいのよ、この痛みが!この痛みが快感に変わるのよ!そしてこの痛みは自分の物にも共有されるから相手の苦しむ顔が見れてもっと最高に気持ち良くなれるわ!」

「ああああああっ痛い痛い痛いやめ……やめてくださいお姉様」

「分かった……頭はやめて脚にするわね」

その後数時間この辺りにはラルファの笑い声とリルファの叫び声が響き続けた。

盗賊たちがこの女の子を怖かったのはこういうことだったのか……この能力すごく欲しい!盗賊に他にも情報がないか聞いてみた。

「なあそもそもあなたたちは盗賊なんだよなそれであの女のことどれだけ知ってんだよ」

「聞かれても知らねえし、そもそも俺たちは盗賊じゃねえ……あっでもある男から言われたことをしたらなぜか盗賊って言われ始めたな」

「その男が言ったことってなんだ」

「その名前はなリュウヤ・カグラザカって言ってなその男がこう言ってきたんだ『トリックオアトリートお菓子をくれなきゃいたずらするぞをいえばなにをやってもいいんだ』ってだから俺たちはその言葉を通行人に言って金をもらう代わりに俺たちの食いものをあげてたんだ。

それを見てた人が盗賊だ!って言ってるらしいんだ」

ああ、あの男か私がリョウヤ・カグラザカに初めて会ったのはこの時代に戻る前だ。

回想

やっと昼休憩だってのになんだよあの男

うるせえな

「おおここが俺の転生先の世界か!神様ありがとう。大体の世界では最大レベルは100そんで今の俺のレベルは100ってことはここでは俺は最強なんだよな……おっ綺麗なお姉さんだ!話しかけてみよ。ねえお姉さん俺レベルが100なんだぜ!最強の俺と一緒に行けばいい思い、出来るぜ!」

はあなんか面倒なのに絡まれた……しかも弱すぎ……何がレベル100で最強なんだよ、クソがテメェの頭の中にお花畑かよ。このギルドで職員として働くだけで最低レベル500は必要なのに……しかもギルド職員の幹部連中なんて軽くレベル1500は超えてるしギルマスなんて国の五本指に入る実力者だし……でもなんでこんな職場環境なんだろ……もっと職場環境よくしろよ!とっととやめてぇ!……はあ今すごくこの男に文句を言いたいけど言ったら上司にやられるし……なんだか後ろからすごく感じたことのある殺気が……やっぱり上司……じゃねえ!やべえな私の上司より役職が上の課長であり、ギルド戦闘部隊絶望の刃(フェアツヴァイフルングクリンゲ)の隊長をしているジェイソンさんがあの男を睨みつけながら来てるし、なんであの男は気づかねえんだよ!!死ぬぞ!!!

「ねえお姉さん俺の名前はなリョウヤ・カグラザカって言うんだぜ家名持ちだ!すげぇだろ……うん?なんで周りの人が俺を見て笑ってんだ?」

家名持ち……どこがすごいの?私たちだって普通に家名あるしこいつらの頭はおかしいの?

周りのある人はこう言っていた

「はははっあ〜あ、あいつ終わったな!あのジェイソンに目をつけられたら最後地獄の特訓生活が始まる……あれは本当に地獄だ!あの時レベル104だった俺は特訓をつけられ今はレベル496だぞ。ジェイソンはレベル400を超えないと解放してくれないからな……

そういえば今月で何人目だ異世界転生だの異世界転移だの言ってたやつがここに来たの!」

冒険者のこの一言にジェイソンさんがこう答えた

「今月が始まってまだ二日だがもう三十四人目だ!!毎回毎回こいつらは神様ありがとうと言っているが流行っているのかその異世界転移だの転生ってやつは!しかもこいつら全員弱すぎる……がそれでこそ鍛えがいがあるというもの!それではこれから特訓を始めるぞリョウヤとやら」

「いやだ辛い特訓なんてしたくねぇ……つーかその仮面ホラー映画のジェイソンじゃねぇか……でもこの仮面が取れたらどんな顔か気になるからいっか」

そうしてリョウヤ・カグラザカはジェイソンに連れて行かれた。

回想終わり

これが初めて会った時だ……盗賊たちと話してるってことは特訓が終わったのか

また面倒なことになんだろうな。

ていうか盗賊討伐依頼受けたけどどうすんのこれなんか盗賊たちの方がいいやつそうだし……全員の片腕だけもらうか、まず利き腕を聞いて利き腕じゃない方を斬ろう

「ねえあなたたちの利き腕ってどっち?」

「なんでそれを聞くんだよ……おい、おいおいおい嬢ちゃんなんで俺たちに剣を向けんだよ……待ってくれ病気の家族がいるんだよ……ぎゃあああああ」

そうして二十一人分の片腕をギルドに持って行った。

するとハルナに毒が効き始めたようだったのでもう少し待つことにした。

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