第三話復讐の毒物(ルヴァンシュギフト)

第三話復讐の毒物(ルヴァンシュギフト)


私はギルドマスターの娘であることから上司から一度も"罰"を受けていないハルナに毒物をプレゼントし苦しめるために今薬屋に来ている。

「ねえ薬屋さん、おいしい毒ってある?」

「お客さんはどうしておいしい毒を探しているのですか?」

「なぜってそれはおいしかったらたくさん飲んでくれるし、ちゃんと毒物だから苦しんでくれる……それでハルナが私のことを少しでも信用してくれればその信用を裏切った時のハルナの絶望した顔をみたいからよ!ハルナおいしい物に目がないからねじわじわと苦しめるのよ!あぁぁぁっハルナが苦しむ顔を想像しただけで最っ高に気分がハイになるわよ!あはははははっ」

「分かりました。…………ならこのチョコレート菓子に毒を入れたこれなんかはいかがですか?見た目もよく出来てましてそれでいて毒が回るまでじわじわと時間がかかりますよ……死なない毒ですがそれでも良いなら今は無料であげますよ(このお客さんがもし常連になればこの無料分以上はお金を落とすことになるからうちとしても利益は十分に出る。さあどうするんだ)」

「ありがとうございます。これはもらいますね……あとちゃんと次からは払いますから安心してくださいね……リ・オ・ンさん」

「お前なぜその名を!!」

なぜ私がその名前を知っているか……それは私が上司に殺される前に何度も上司を殺そうといろいろな薬屋を巡りその時出会ったのがこのリオンさん。この時代で名乗っている名前は偽名のネヴィルという名だ。本名はリオン

そしてこの時代ではリオンさんは暗殺・傭兵部隊(ドロフォノスマーサナリー)の隊長をしていた。

「はあ、バレてんのかよ。なら隠す必要もないな。どうせ全部知ってんだろお前」

「いいえ全部は知りませんよ。全部はね」

「まあもうどっちでもいいわ。また来てくれよな」

「はいまた来ますよ。近いうちにね」

そして私は薬屋を出た。

ユリアが薬屋を出たあとのリオンの場面

「しっかし、やべえのが客としてきたな。どうしてあいつは俺の名前を……今はいいか……でもまあ探りだけなら……おい!ニコラ、デュランお前たちさっき店を出た俺の名を知ってる女を調べろ」

「もう分かったよた〜いちょ。仕事だもんね……ほんとは私だけ見てほしいけど」

「ニコラだけ見るのは立場上は無理なんだ……だからそれ以外で欲しい物買ってやるから」

「やったーたいちょ、ありがと!」

「なあ二人とも俺がいること忘れてないよな……まあいいか二人が幸せなら」

「ニコラ、デュラン早く行ってこい」

「分かってるよもう……じゃっ、いってきま〜す」

「それじゃいってくる……リオンいい報告を待っててくれ」

「いい報告だけじゃなくちゃんと悪い報告もしろよ」

「言われなくても分かってるよ」

はあ、ほんとあいつらもう少し俺の立場を考えてほしい……俺を知ってるやつがいたら『王族に大して不敬だ!死罪だ!』とか言ってくるだろ……まあ俺は王族って言っても養子……まあ今は国のやつらにも認められてきてはいるが……。

また大事な人が殺されるのは嫌なんだ。ていうかニコラもデュランも子供の頃から変わらねぇよなほんと……俺にはもったいないぐらい、本当にいい友達が出来たよ。親父空から見ててくれよな……親父たちを殺した王を絶対俺が殺すから!

そしてユリアの場面に戻る

やっと毒を手に入れた!

ハルナがおいしいものに目がないのはここの時代戻る前に知ったことだ。

ハルナは自分がギルマスの娘だからって好き放題しやがってよ……ただ殺すだけじゃ満足できねえ!殺さず『もう嫌だお願いだから殺して!』と願っても生かし続けて生き地獄を味わわせてやる!!

そして私がギルドに入った時、あのクソの声が聞こえた

「おいお前あそこにあるロールケーキとってこい!」

「えっなんで私なの!ねえみんな!」

「私が一言いえばお前をどうにだってできるんだぞ……そうだな例えば……おい!そこの二人こいつの腸引き摺り出せ!」

「「わっわか……わかりました……ごめんねジゼル」」

「いやだやめてねえフミカ、リエ本当にやらないよね……ねえ無視しないでやらないって言ってよ!!!……あああああいだいいだいもうやめ……なんで治すのよ!!もう嫌またやられる……わかりましたロールケーキとってきますからやめてください……やっやめほんとにほんとに死んじゃうからあぁぁ!!いやあああああ」

「大丈夫だよ安心して絶対に死なせないから、あはははははははっ」

本当に虫唾が走る

私はさっそくハルナに毒を盛ることにした。

「ねえロールケーキもいいけどこのチョコレートケーキもおいしいよ。いるならあげるけど」

「……おいしいの!食べる食べる!……ああロールケーキはもういいわ」

ジゼルにあんなことしておいて……とっとと食って苦しめよハルナ!

「いっただっきまーす……うんおいしいわこれ」

よしやっと食ったなあとは効き目が出るまで待つだけか……ただ待つのは暇だから依頼でも受けて道具を買うための金を稼いでおくか……ジゼルの窓口に行くか

「おいジゼルちょっといいか」

「はいっなんでしょうか冒険者さま……どうして私の名前を知っているのかしら?」

「ほらこのいちごクッキーと金やるからこの金でせめて休みの日だけでも楽しめよ……で依頼はこれを受けたいんだが」

「あっありがとう……ございます……盗賊討伐の依頼ですね。頑張ってください!あなたがくれたこのお金で休みの日においしいもの食べますね!いってらっしゃい」

「お礼を言われるほどじゃねえよ。じゃっ行ってくる」

ここの時代に戻る前にジゼルとは休みの日に一緒に出掛けていた……私がやられているのをジゼルが身を張って助けてくれたことがきっかけで仲良くなった。

この職場にこんないい人がいるのかと驚いたことを今でも覚えている。

そして私はハルナに毒の効果が出るまでの待ち時間に盗賊討伐に行くことになった。

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