第1話 旅に出でる 9

その、みんながかえってしまったあとのことです。

イヴはみせのかたづけをすませると、三階さんがいのいまへきました。

そこではミルクがイスにすわり、しんけんなかおをしていました。


なにをそんなにかんがえこんでいるの」


 イヴがたずねました。するとかのじょにがついて、ミルクはかおげました。


「ああ、おつかれさま。

夕方ゆうがたはなした、たびのことをかんがえていたの。

いきおいでめてしまったけれど、こんな計画けいかく本当ほんとうにうまくいくのかしら」


 イヴはミルクのとなりにこしかけました。


「そうね、うまくいくかはからないわ。

きけんなことがいっぱいあるかもしれないし。

たびてさがしたところで、にじしょくにんつけることができないかもしれないわね。

でも、それってすごくおもしろそうじゃない?」


 それをいて、ミルクはにっこりしました。


「そうね、どちらにしてもだいぼうけんになることはまちがいなさそうね」


 イヴがおなかをなでながらいました。


「とにかく今日きょうは、おいしいものをべて、ぐっすりやすむことにしましょう。

そして明日あしたから、しっかりたびのじゅんびにりかかるの。

ああ、今日きょうもいっぱいはたらいたから、おなかがぺこぺこよ」

 そこで二人ふたりは、あたたかい食事しょくじると、そのはやくにベッドに入ったのでした。



読んでいただき、ありがとうございます。

次回の掲載は2024年5月16日です。

 注意:作者がコメント欄を読むこと、またいかなる場合もコメントへ返信することはございません。読者の方のコミュニティーとして節度ある使用へのご理解と、ご協力に感謝いたします。

 注意:この作品は 『小説家になろう』、『カクヨム』、『Novel days』に、同時掲載しております。

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