異類的ポイズン級彼女。

猫野 尻尾

第1話:悪魔のメイドさんがいるカフェ。

理想的最上級彼女の悪魔版です。


悪いけど俺は人間の女性にはまったく興味ない。

それならバーチャルアイドルの方がいい。


あ、俺は「御来屋 元みくりや げん」って言う・・・必殺バイト人。


どっちかって言うと非現実的なキャラに興味がある。

実際はこの世に存在しないキャラたちなんだけど今の時代は、さまざまな

異類な人たちが街を徘徊してる。


秋庭原のビルとビルの間に、いつの間にか悪魔のメイドさんがいる

メイドカフェがオープンしたんだ。

そんなもの悪魔だぞ・・・女の悪魔なんて聞いて放っておけないだろう?

なにはさて置いても悪魔のメイドさんと懇意になってもらわなくちゃ。

交流を深めねば。


って言うか、まじで悪魔の彼女が欲しい。


そう思って悪魔のメイドさんがいるカフェに行った。

カフェの名前は「ポイズン」・・・いいね〜悪魔のメイドさんに毒されて

みたいじゃないか?


店の中に入ると、女の子の悪魔ちゃんが一斉に


「お帰りなさい、ご主人様〜」


って黄色い声で言ってくれた。


で、コーヒーとケーキを注文することにして注文しながら、どの悪魔ちゃんに

照準を合わせるか物色した。

そしたら、いたね、ドンピシャのタイプの子が・・・。


すぐにその子を呼んで注文した。

で、ついでに名前を聞いてみた。


そしたら「リンデルちゃん」って言うらしい。


ブルーの髪に、悪魔らしく可愛いツノが二本頭から生えてるじゃん。


メニューを下げる時、リンデルちゃんは俺に向かって、ウインクしながら


「萌え萌え〜」


って言ってカウンターに引っ込んでいった。


この子いい・・・決めたリンデルちゃんに・・・。

そう思うと他の子はもう目に入らない。

レンデルちゃんと仲良くなるためにこれから毎日ポイズンに日参するぞ。

他の客に取られる前に、彼女になってくれるよう約束を取らねば。


でも、そんなに簡単にはいかないみたいだ。


なぜかって言うと、基本悪魔は人間の男なんて相手にしないらしい。

それは直接リンデルちゃんから聞かされた。


「よかったらプライベートで俺と付き合って」って行ったらば。


なんでも人間の男なんて貧弱で弱っちくて相手にならないからなんだって。

お仕事だから、来てくれるご主人様は大事にするけど、彼氏とか恋人とかって

関係になるのはまた別の話なんだってよ。


「そんなのつまんないでしょ」って言われた。


リンデルちゃんを落とすことは難しくなった。

でも、諦めきれるわけないし・・・。

だから、それでもポイズンに通い詰める日々が始まった。


リンデルちゃんは俺が客で行ってるから、優しくしてくれるし愛想も

振りまいてくれる。

だから、つい勘違いしそうになる。

ダメだ・・・あれは営業の顔だ・・・まじな彼女の優しさと思いやりが、

愛が欲しい。


寝ても覚めてもリンデルちゃん・・・。

レンデルちゃんのメイド姿を思い出すと気持ちがおかしくなりそうだった。


だから、この想いをリンデルちゃんに伝えた。


「人間の男なんかに興味がないのは分かってる・・・でもどうしようも

ないんだ・・・君への想いを抱えきれなくて今にも溢れ出しそうなんだ」

「迷える子羊を助けると思って・・・僕の彼女になって」


って・・・。


そしたら「じゃ〜とりあえず付き合ってあげる」ってナイスな答えが返ってきた。

まじで?・・・やった〜。

ここから失敗しないようにしないと・・・なんとか恋人関係に持ち込みたい。


俺の異類婚姻譚への道、まずは第一関門クリアした。


とぅ〜び〜こんて乳。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る