日記

○月○日

今日も1日を無事に終えれたことに感謝する




あの姫様もなかなかに無茶な任務をよこしてきたもんだ



狩人からの苦情程度であれば、なんら反応することはないだろうが、魔物の襲来があったあの村の付近であるならば話は別だ




魔物の生態についてはいまだにわかっていない




ただ、残虐に人間を襲う




狼のような個体もいれば、蛇のような個体もいるがどれも獰猛で残忍だ




その残党がまだ残っているかも知らないとなれば、派遣されるのは必然であろう



ただ、わからないことがある



あの村が襲われてから、間もないというには微妙な期間である以上、魔物仕業と決め付けるのはあまりにも早計ではないのかという点だ




まぁ、あの姫様の突拍子もない提案は今に始まった話ではない




そのどれもが、著しい戦果を残しているのだから余計たちが悪い




かくいう私もその提案で助けられた当事者である以上文句は言えない




しかし、今回の調査はもしかすると魔物なんかよりもずっと厄介な一件になりそうな気配がする




明日からの調査の準備をしつつ今日を終える







○月×日

ほんの最近無事に終えれたのがまるで嘘のようだ




結果的に今回の件は魔物の仕業ではなかった




しかし、もっと厄介な話になっている




現場付近に到着した時実際に魔物はいた




しかも少年を襲おうする寸前であった




もちろん助け出したのだが、その少年が妙だった




全身はあまりにもボロボロすぎるが魔物にやられたわけではなく両手に関しては何かに打ち続けたようにぐちゃぐちゃ、ひどく衰弱した様子であり声も出せていなかったが、それも喉が潰れていたからであった



俄かに信じがたい話であったが森の情報の張本人をこの少年だと決めつけるのには十分すぎる状況だった



死にたがりはなにもこの少年だけてはなく、身寄りを無くした民衆には一定多数存在はしていたが、ここまでネジが外れたレベルの死にたがりは初めて見た



それに、ここまで衰弱しているのであれば本来とっくの前に死んでいてもおかしくないの今もこうして拠点の小屋で全身を拘束された状態でも寝ている



不思議というか訳がわからん




この少年はなんなんだ?



それにあんなに衰弱していたのに意識を失ったあとこの拠点に運び込んだときも亡霊のように立ち上がったと思えば「まだ足りぬ、まだ足りぬ」と拠点小屋の柱を殴り始めていた




しかしその構えはどうも歪であった



まるで少年に<<不相応>>な誰かが体を操っているようじゃった




なにがこの少年をそうさせている?




死への執念か?魔物への憎しみか?



はたまた別の何かか




王都の方には連絡を入れたが、この少年が起きたらもう一度深く話し合う必要がある



少しでも情報が欲しい



先ほど少年に飲ませた薬には少しであるが睡眠の効果も含ませているため、あと丸一日は寝続けるだろう



拘束の具合を確かめてこちらも少し身体を休めて明日に備える














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