音 〜僕らが届ける音色〜
プラタナス
第1話 決心
僕、高橋音羽(おとは)は今年の四月から高校生になる。僕の行く高校は県内でも頭のいいほうで男子校である。中学校までは超がつくほどの陰キャで目立つことは全くしたくないと思っていたが高校生になるからと思い、俗に言う高校デビューをしようとしている。
しかし、今まで陰キャだった僕がなにかしようと思ってできるわけもなく入学してから一週間がたった。そろそろ部活動の仮入部の期間になるのでなにか決めておきたいなと思っていると、後ろから走ってくる音がする。振り返ると…やっぱりだ
手を振りながら僕の数少ない陽キャの友達神田奏太(かんだそうた)がこちらに向かってきていた。おはようと元気な声で話しかけてくる。僕と奏太は小・中・高と同じ学校で、高校では奏太と同じクラスになった。
もう奏太は入る部活は決めたの?と聞くとまだ決めてないという。
奏太は小学校から運動神経がとても良く、てっきり高校では運動部に入るものだと思っていた。そこで、奏太に入る部活で悩んでいることを伝えると、
軽音楽部覗いてみないか?と誘われその日の放課後に軽音楽部の練習場所に行くことになった。
放課後になり、練習場所を外から見ていると突然先輩に、見学だよね!と言われ、僕も奏太もなにも言えずに教室の中に連れられた。
「いや〜良かったわ〜、ようやく初めての見学が来てくれたよ。ありがとね。
この学校は吹奏楽部で有名だから軽音部とか全く人こないんだよね〜。」
そういえば、この学校は吹奏楽のコンクールで二度の金賞に輝いているはずだ。
「ごめん、ごめん。まだ自己紹介してなかったね。俺は3−Dの神楽健(かぐらけん)
一応この部の部長をやってる。とは言ってもこの部活は三年5人 二年3人しかいないからあんまりそういう関係は気にしなくていいよ。だけど俺は次の文化祭の発表で絶対に成功させて廃部をなくさせてやる!」
え?と思った。人数が少ないとは思っていたけれどまさかの廃部の話があるなんて。
流石にやめようかなと思っていると奏太が急に
「入部しますこいつと二人で」と言い出した。はぁ?!と思い奏太の方を見ると奏太の目は真剣そのもの仕方なくやるかと思い、「僕もやります」といい
二人での入部が決まった。
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