第7話 変化

「......はぁ〜」

俺は大きなため息を着く。

「...神......か」

アラームは響き続ける

俺の思考などで針は止まってくれない。

(そういえば、名前......聞き忘れたな)

自分に染み付いた動きで階段を降り、

そんなくだらないことを考える。

今日の朝食のコーヒーは、

甘いような苦いような......そんな味だった。

鏡の自分は何も変わらず、

ササッと寝癖を直していく。

制服を通し、スマホで時間を確認する

部屋には音はもう響いていなかった

「......行ってきます」

俺の声以外は、響いていなかった。




通学路の見慣れた光景、

天気も気温も、何一つ変わらない。

つまらない?馬鹿を言うなよ

俺は別に平凡な学園生活を送っていたいんだ

(まぁ、もう無理か)

そうだ、頭ではそう言いつつも、

現実は自分の考えほど、上手くはいかない。

......でも、何故だろう?それが嫌だと感じないのは

何故だろう?寧ろ楽しいと感じるのは

(結局、俺は逃げていたかっただけなんだ......)

俺は何も出来ないって、何も成せないって、

......自分の弱さに、少し哀しくなった。

雲一つない晴天に似合わない、

少しマイナスな思考で歩みを進めていた......が

「おはようございます」

彼女の一言で、そんな思考は

一瞬にして消え失せるのだった。

(......あぁ、やっぱり眩しいな)

そうだ、この子は晴天よりも眩しい少女だ

そんな光を眺めてみたくなった

そんな光に群がる下衆に吐き気を覚えた

......そんな、善意の太陽

彼女が放つ光に溶かされたように、

俺はその言葉を紡いだ。

「あぁ、おはようございます」

「なんか今日、顔暗くないですか?」

「俺は何時もこんな顔ですよ」

というか、昨日の今日で分かるものなのか?

いや、正解なんだけどね......

「嘘ですよぉ、昨日の瞳は輝いて見えました」

「そうで...すかね」

俺は疑問の声を漏らす、

こんな俺が生き生きしていた......か。

良いのかな......もう

歩みを再度進めても、良いのかな?

「そうです、カッコよかったですよ」

......危ない...俺は下心丸出しのアイツらとは

違うんだ!絶対に違うんだ!

「ありがとう...ございます?///」

「あっ、照れてます!?一ノ瀬くん」

......どっかの誰かさんのせいでな!

あんな言い方...ズルくないか?

「ほら、早く行きますよ!」

「逃げるのは良くないです、電車まだですし〜」

「うっさいです」

今日の電車は早く来て欲しいような

"もっと遅く"来て欲しいような......

「ほら、早く乗りますよ」

「うん学園に遅れる訳にはいかないですし」

...やっぱり、毎度の事ながら人多いなぁ

仕方ないことなんだがな。

「うへぇ、やっぱり人多いですよね」

「そうですね、まだ慣れません」

まぁ、慣れるのもなんか嫌だけど......

電車の楽さに染まった俺たちは

どんなに混んでいようが、正直変わらない。

...最後の駅まで、

俺たちが会話を途切れさせること無かった

「もう、着きますね」

「そうだな、"雫"」

「...え?え?今...雫って、そ、それにタメ口!///」

(俺からの仕返し)

"時に、バラバラに壊れてしまうことも

あるかもしれません。でもそのおかげで、

それ以上に良いことが訪れるんです"である。


あとがき

今回は、日常回と零の意思が明確に変わったと

零自身が自覚した回となっています。

今回は特に書くことはないので、

早く消えようと思います笑

ご愛読ありがとうございました。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る