人の好感度が分かるようになった ―何故か学園の美少女達からの好感度が 異常に高過ぎる―

月影

第1話 平凡な学園生活?

『好感度』というものをご存知だろうか

俺は好感度を、その人がどれだけ俺の事を

好きなのか,嫌いなのかを明確に表すものだと思う。

好感度を知ることが出来れば

人間関係は円滑に進むと思うし、

恋愛だって失敗することは激減するだろう。

だが、現実はそうではない

好感度なんて頭の上に表示されないし、

人間関係も恋愛も上手くいかないものだ。

好感度,なんてものはただの妄想でしかない

そう......思っていた。




俺の耳元で、アラームが鳴り響く。

ぼやけた視界は少しずつクリアになっていき

それと同時にアラームの音は止まっていた。

「朝......か。」

俺は、不意にそう呟く。

(さっきのは、何だったんだ?......夢?なのか?)

先程まで聞こえていた声が、

何故だが頭から離れない。

まるで、"忘れるな"と言わんばかりに

(それにしても......好感度ね。)

しっかりと覚醒した意識で階段を降りながら

俺は馬鹿馬鹿しいと思いながらも、

好感度のについて考えていた。

(...時間の無駄だな)

俺はそう結論付けた。

それはそうだろう?だって俺は、

先程、好感度について語っていた人に全面同意だ

所詮はただの妄想でしかない。

せっかく久しぶりに早く目が覚めたのだ

登校までの時間を大切にしなくてはな......

俺の名前は、一ノ瀬零(いちのせ れい)

『星羅(せいら)学園』の高校1年生だ。

......って、俺は誰に言ってんだか

入学してから自己紹介は

先月に終わっているというのに。

...辞めよう、あの時を思い出すのは

失敗を掘り返すことになるだけでしかない。

そんなことを考えていると、

時計の針は止まることなく進み続き

いつもより余裕があった朝は、

どうでもいい思考で過ぎ去っていくのだった。




「よっ、零。」

「おはよ。」

教室に入ってきた俺に話し掛けてきた

この男の名前は、柊木悠(ひいらぎ ゆう)

俺と同じく、平凡な男子生徒だ。

......俺より友達の数は俄然多いが

「何も変わんねぇな。」

「それは俺がか?それとも学園生活のことか?」

「どっちもだよ!」

俺の質問に対して、悠はそう言ってキレる。

朝からキレて疲れないのだろうか?

「あ〜あ、この学園生活が劇的に変わんないかな」

「俺は変わんなくて良いよ。」

平凡な学園生活?

嫌だと思わないどころか寧ろ大歓迎だ

俺は、変わらない日常でそれで良い。

(変に変化を望むと、ろくなことがない)

「ッ!」

俺の目に激痛がほどばしる。

目にゴミが入った、なんてレベルの話じゃない

「どうした!?大丈夫か!?」

大慌てで俺に疑問を問いかける。

その友達の荒げた声を聞き、

クラスメイトも俺へ視線を向け始める。

(何でこんな...!持病とかも無いぞ俺は!)

痛みで、思考が良く回らない。

ただ、そんな中でも分かることは

絶対に非現実的なことが起こっているということ。

急に病気が発現した...とも考えられるが、

上手く回らない脳内は、

そうとしか結論が出せなかった。

だが、そんな痛みも徐々に治っていく

(本当に、病気とかじゃなさそうだな...)

痛みが消えていく中、俺はそんなことを考える

痛みが続いたのは、約40秒ほどだった。

「もう、大丈夫だ。」

机に突っ伏していた頭を上げながら、

俺は悠にそう告げる。

その際に、悠の頭の上に数字が表示されていた

(ウッソだろ...冗談キツイって)

「本当かぁ〜?」

悠の言葉は、俺の頭に一切として

入ってこない。俺の頭の中にあるのは、

夢だと思われる時の言葉だけ......

"もしも、好感度が見えるようになったら?"

(おいおい、本当に現実かよ......)

「あぁ、大丈夫だ。」

そう言って、悠に答える。

だが、現実はどうも変わらない

悠の頭の上の数字はずっと見えているし、

他のクラスメイトだってそうだ。

「ところで、お前って人の上に数字って見える?」

「本当に大丈夫か?」

"現実は小説より奇なり"である。


あとがき

どうも、月影と申します

今回初めて投稿させて頂きました。

次回から、あとがきの場で

色々話させて頂こうと思っています。

少しでも良いと思ったら、

応援よろしくお願いします。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る