奇跡
「如月さん少し遅れるらしいから自由にしてて良いよ」
「そこまで競争しようぜ」
「負けねぇ!」
ここは魔力持ちだけが入れる空間
普段は入ることがないけれど
「あついのに…元気」
「ねてる…」
葵は寝て僕はそれを観察していた
「同じ人なのかな…」
(四季に会えるはずだし確認してみよう)
「えいっ!」
「うわ!?」
「こら!さな!」
「とと!」
(小さい女の子…)
「娘が急に抱きついてごめんなさい…」
「いえ…」
「何かあったのか?」
「あっ親御さんですか」
「え?」
「先ほど急に娘が抱きついてしまい驚かせてしまって…申し訳ありません」
「いえ問題ありませんよ」
「とと…いまのだめなこと?」
「そーだよ」
「そっか…ごめんなしゃい」
(あっ…)
「だいじょうぶだよ…けがしてない?」
「おけが?」
「うん」
「してないよ?」
(良かった…)
「こっちが悪いのに怪我を心配してくれてありがとう」
「ううん…」
「ではお邪魔しました」
「とと!どこいくの?」
「用事を済ませにいくんだよ」
「ここであしょびたい…」
「だーめ」
「あしょぶ…」
「あれ?小さな女の子がいるじゃんなんで?」
「りくと」
「とときらい!あしょぶの!」
「きら…終わったら遊べるから…」
「あれ…あの子…」
「何か言った?」
「心と陸人そろそろ行くよ」
「わかった」
「陸人?」
「りく!?」
(何処に…)
「ねぇ名前なんて言うの?」
「おにーしゃんだれ?」
「俺は陸人っていうんだ」
「りきゅと?」
「そーだよ」
「陸人行くよ」
「ちょっと待って」
「えっと…陸人くん行った方が…」
「大丈夫です」
「りくと!さな!」
「さなちゃんって名前?」
「うん!」
「さなちゃんの用事が終わったら一緒に遊ぼっか」
「ほんと?」
「うん」
「あぞぶ!とと!はやくいく!」
「え!?陸人くんありがとう」
「いえ」
「陸人わかってるよね?」
「うん」
「なぁ心」
「なに?」
「陸人何で怒られてるんだ?」
「小さい女の子とあそぶやくそくしたから」
「え…」
「それやばいだろ」
「うん」
「心はその子とぶつかっちゃってたけど大丈夫か?」
「まじか」
「ほんと。だいじょうぶ」
「奇跡だな…」
(本当に奇跡だ)
僕たちは魔力量が大人と比べて普通よりも倍以上多い
大人の平均魔力量を100としたとき子供の平均魔力量は50以下とされている
子供といっても10歳前後からの話であってそれより下の子たちは20あるかないかのレベルであり魔力も不安である。そんな子に僕たちが触れてしまったら魔力衝突が起きてどちらかに異常が生じてしまう危険がある
だから今回の件はどちらにも今のところだが異常が起きていないことが奇跡であるのだ
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