第1-3式:夢幻魔との激しい戦闘(バトル)
解1-3-1:標準装備なしっ!?
思わず
『ヤスタケ、気を付けてください。
「了解っ!」
『
「それも了解っ! ところで、ラプラスターには何か武器はないんですか?」
『少々お待ちください。カナウたちに相談し、すぐに準備します。それまでは素手で戦うか、何らかの手段を用いて時間稼ぎをお願いします』
「えっ? カナ兄たちと相談って、そんなことより標準装備の武器を出してくれれば充分なのに……っ……。もしかして、ラプラスターにはそれがないってことっ!?」
俺は内心、焦りを感じていた。
だって今の言葉から考えると、ティナさんが武器を用意してくれるまでラプラスターは丸腰状態でいるということだから。
ディスプレイのひとつには指令室の様子が映し出されていて、4人は何かを話し合っている。ただ、当然ながらいつまでもそっちに注意を向けていられる状況じゃない。今は対峙している
――くっ、とにかくなんでもいいから武器が欲しい!
それは高い攻撃力が得られるからというだけじゃなくて、敵からの攻撃を受け流す効果も期待できるから。
特に棒状のものなら、剣道をやっている俺には心強い武器になる。
「っ!?」
もっとも、しっかり注意を向けていた俺はそれを見切って左右や後方へステップし、その全てを余裕で回避する。
ちなみにその塊が着弾した地面は蒸気だか煙だかを発しながら表面が融けたような状態になっていて、それを考えれば腕や足で払い除けなくて正解だった。
もちろん、その程度の攻撃なら食らっても致命傷にはならないだろうけど、性質が完全に判明しているわけでもないから確実に安全だとも言えない。敵に関する情報分析が終わるまでは、可能な限り慎重であるべきだ。
また、それを逆に考えれば、現段階では相手からの攻撃に対処する手段は回避しかないというのも事実。こちらから体当たりや蹴りなどで攻撃に転じようにも、不用意に敵の間合いに入るのはリスクが高すぎる。
「くそっ! 木が1本でも生えていれば、それを引っこ抜いて武器に出来るのにッ!」
俺は周囲に視線をチラチラと向けながら
辺り一帯――というか、地球全体は
都市部だった場所へ行けば残骸の中にビルの鉄骨や街灯などの支柱、鉄道のレールといった棒状の金属塊が残っているかもしれないけど、敵と対峙しているこの状況ではそこへ移動したり探したりしている余裕なんてない。
…………。
……そうなると、やはり使える武器は無数に転がっている岩くらいか。
ちなみに俺は
一方、敵の間合いに入らずに攻撃できる手段がほかにないのも事実としてある。
ゆえに仕方なく俺は
ヤツ自身は全く動じず、ダメージを受けているようには見えない。
それでもこちらを警戒してくれたのか、その後はじっとしたままラプラスターの様子を
こうして再びお互いに
『――お待たせしました、ヤスタケ。今からコックピット内に武器を転送します。受け取ってください』
「ふぅ、ようやくか……」
ティナさんの声が響き、俺は思わず息をついた。
武器さえあれば
果たしてどんな武器が送られてくるのだろう? 剣の類であれば最高だけど、この際だから
例えミサイルや大砲のような遠隔攻撃系の武器でも、無いよりはマシだし。
(つづく……)
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