第32話明花でなくとも愛せた

誰かが言っていた事を思い出した。


 何故別れを切り出せたのか?


表立っては居ないが、美幸の事が心の糧に為っていたと思う。


 実際、美幸とは傷心ドライブに付き合ってくれて六甲山頂の展望台パーキングに駐車した車の中で愛の抱擁をし、キスをした。


 左手で美幸の後頭部を抱き支え右手で美幸の髪を救い。


 あの時のあの感情には性欲等は無かったが、相手に愛しい感情のオーラが揺らめき合っていたと思う。


 明花でなくとも愛せた・・・。

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