第31話別れの神戸

明花の自宅は山科だとか、ちゃんと聴いておくのだったが、住まいは京都の山奥とまで言い掛けた明花に「うん分かった。」


と、答えただけだったが、若い僕は深く掘り下げなかったばかりか、一を聞いて十を知ったような気がしていた浅はかな自業自得が為された業・・・。


「もう付き合いは止めよう・・・。」


受話器の向こう側で、息を飲むのが分かった。


「うん・・・分かった、タクトくん寂しいけどね。」


一瞬涙声に為ったが、直ぐに立て直した。

 女は気丈なのさ。

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