第8話二年坂と三年坂の長い石段

もう明花の心はブレにブレて、振子細工の様に揺れ動いているのが、分かった。

付き合い初め10月の八坂神社周辺を散策していた2人は二年坂と三年坂の長い石段を息を弾ませながら上がりまだ紅葉の始まっていない清水寺から八坂神社へ戻り桂川沿いに歓楽街を歩いていた・・・。


どれくらい歩いていただろう

・・・。


目的や行き先も決めないでただ京都の街並みを眺め歴史を感じていたかったから。

延べ5km程度になる・・・。


のを「舞妓さんよタクトくん。」


「お花つけておくれやす」


クルリと周り小首を傾げてはんなりと僕に言った明花・・・。 


 京都案内を買って出た彼女は僕に一等見せたかったのは舞妓さんだったのかな。


 二人と擦れ違いざまニコッとした舞妓さんの笑顔が無畝に残っている。


 2人の男の狭間で揺れる女心。


揺れる女を演じて居るのか?

 そう感じているのだろう。

チッ!アホらしい。

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