服とおっぱいの関係

「人間はすべての動物の中でおそらく唯一、

他のナワバリに属する存在とも共存できる生物だ」


「ライオンとかも違う縄張りのオスを殺すとかあるもんね」


「ここに大胆な仮説を導入してみるとしよう」


「ほう、どんな」


「生物の三大欲求は本来、食欲、睡眠欲、

そして戦闘欲であったとするのはどうだろう」


「戦いを望む欲求って生理的なものなの?」


「外敵から自分や仲間を守ろうとする欲求と考えれば、

他の2つと一緒に[生きるための欲求]として括れるぞ」


「自分と仲間を守るために戦う欲求が、

性欲に置き換わったってことか?」


「戦闘欲が性欲に変化したのは、

思うに服を着始めた時期かもしれない」


「なんでさ、服ってつまりは装備だろ

鎧とかの防具だって立派な服じゃんか」


ホウは立ち上がり、腰に手を当てて仁王になる。


「おう、なんだよ」


「制服を着ている人間の評価するとき、

どこを見て強そう、弱そうと判断すると思う?」


ホウは両手を頭の上に上げたかと思うと、

俺に飛びつくかのように影を覆い被せてきた。


「アリクイの威嚇は自分を大きく見せることで

相手からの攻撃をためらわせる効果を狙っている」


「あのかわいいやつな、威嚇になってないやつ」


「そのかわいい、威嚇失敗という感想は

人間からアリクイを見下したときの評価だ

ともかく、動物が相手を強そうと判断する根拠は、

1番は相手の視覚的な大きさに依存するだろう」


「確かに、ゴジラとか絶対に生身じゃ勝てないもんね」


「そうだ、体の大きさは見た目の強さに比例する

だから自らを強く見せたい者は、

自分をより大きく大きく見せようとするはずだ」


「それが、服だって言いたいのか?

自分を大きく見せるための装備が服の始まり?」


「体を大きく見せるためのオシャレといえば

石器時代の耳飾りは耳をかなり拡張している」


「あー、たまにいるね、大穴開けてる人」


「原始的なファッションは

いかに自分を強く見せるかだったとすると

エジプト王家とかは服の大きさよりも

貴金属の神々しさで権威を表したとかな」


「んで、おっぱいと何の関係があるのさ」


「おっぱいとやらも、

大きい方が目を引くんだろう?」


「え、うん、まぁ」


「つまり大きなおっぱいには威嚇の効果がある」


「その結論はちょっと同意しかねる・・・」

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