おっぱい復活

こいつの口から初めて聞くおっぱいは、何か感慨深い。


「なぁ、性差を考慮すべき事態って、

現代に近づくにつれて減っているんじゃないのか?」


「そうだな、おっぱいレベルの性差が問題な状況は

滅多に発生しない世の中になっている

だから男女分業の必要性が薄れているのも事実だ」


「男は狩り、女は家事ってのは大昔だし、

もはや男は仕事、女は家事って考え方も

古いって言われて嫌われてるよね」


「性差の観点から合理的とも言える性別分業に

抵抗する動きは例えばけんせつ小町とかだが、

別に仕事上で問題が生じないならば

共同参画に対して異論は持ち得ないだろう」


社会と性別の関係の話をしていた。

あれ、おっぱいの話からどうここまで来たんだっけ。


「ちょっと、一旦話を整理しようぜ」


「そうだな、まず性欲の普遍論争があって、

性欲は社会的欲求であることと結論した」


「で、その後はおっぱいの話になって、

性差と性別分業の話につながったんだよね」


「まだ、おっぱいは何故あるのか、

という疑問を解決してないな」


「えっ、それはさっきの話の中で

答えが出たんじゃ無いのか?」


「おっぱいによって性別分業が促された説は

おっぱいを人間がどう解釈したかであって、

何故おっぱいが存在するのかを説明しない」


「ああなるほど、確かにそうだな

なんでおっぱいが人間の体には備わっているのか」


「猿にはおっぱいが存在していないからな」


「そうなの?なんで?」


「もしかしたら[服を着る]文化がおっぱいの発生と関係しているかもしれない」


「服を着たからおっぱいが生まれた?どういう理屈だよ」


「人類誕生の時代まで遡って考えてみようか」


「話が急に壮大になったな」

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