星を見ることに憧れた少年
自由神
第1話 星を見る 星を見つける
星を見たい ただそれだけ
夜の公園 ジャングルジム 大きな滑り台
公園の中央にはドーム状の遊具がある
公園に着き手に持っていた棒を遊具に立てかけ上に登る
ここが、ここだけが僕の特等席
朝6:00
ピピピピ ピピピピ ピピピピ
目覚まし時計の音が部屋に鳴り響く
ピピピピ ピピピピ ピピピピ
「んゔ〜」手を伸ばすが届かない
ピピピピピピピピピピピピピピ
「早く起きなさーい」部屋の外から声がかかる
ピピピピピピガチャ
ようやく目覚まし時計に手が届き体を起こす
「ふあぁ〜〜」体を伸ばし目を擦る、目に刺さる日差しが意識を覚醒させる
お母さん「紗枝〜早くご飯食べないと遅刻するわよー」
寝癖が付き布団から出ることを拒んでいる女の子、名前は 鈴美蘭 紗枝
紗枝「起きたよぉー起きました」ベットから足を出し立ち上がる。
(まだ眠たいなぁ、まぁ学校で寝たら良いっか)と考えながら制服に着替える
スマホを片手に一階に降りて洗面台に向かい歯を磨く(通知来てるかな〜)
とスマホを見ていると一つの通知が来た、友達からだ
『ゴッメーン昨日の宿題し忘れたから後で答え写させて〜』と言う文書だった。
紗枝「はぁ、またか」と言いつつ『良いよぉーまた学校でね』と返信をする。
いつものことだ、これが私の日常なんだ 友達だから 困っているから
助けることが当たり前から、、、。
でも一度だけ言って良いなら言ってみたい 嫌だって
紗枝「でも、、、」嫌われたくない 自分勝手だって 自己中だって思われたくない
歯磨きを終えリビングに向かう、机の上にはトースト、ジャム、野菜、牛乳
(うぇ、牛乳だ、、、)牛乳が苦手だが残すわけにもいかない、椅子に座り「いただきます」と言いパンにジャムを塗り大きく齧る、そこに牛乳を流し込みパンを頬張って牛乳の味を緩和する(ふぅ〜なんとか飲み込めた)残りのご飯を食べて鞄を用意し玄関へ、お母さんに「行ってきます」と伝え外に出る。
学校はそこまで遠くはない、歩いて10分ぐらいだ いつも歩いているこの道は人通りが少なく私のお気に入りの道でもある。
そしてこの道の途中にある公園 余裕がある時はここの公園でのんびりしてから学校に行く(静かで良いなぁ)そう思っていると後ろから「おはよぉ!!」と大きな声がした。
振り返る さっき連絡が来た友達だ
友達「いやぁー昨日は忙しくてさぁ彼氏がずっと構って言ってきて宿題ができなかったんだよぉ〜」
紗枝「そうなんだ、でも宿題見せるのは良いけど学校っで先生にバレたら怒られるよ?」
友達「あ〜ならさあんたやってよ」
紗枝「え?」
友達「ほら私彼氏いるじゃん?学校行って彼氏んとこ行かないとだからさ〜あんたが写しといてよ、それならあんたが勉強してるってことんあるじゃん?」
紗枝「え、でも」
友達「ほら私たち友達でしょ?今度ジュース奢ってあげるからよろしく〜」
と言いノートを渡してきた(困ってるんだよね、、、なら)「いいよ」と言い受け取る。
友達「さっすがー♪持つべきものは友達だよねー」そう言いながら先に行った。
間違ってないよね 私は正しいよね 大丈夫、私は傷ついてない
そう心の中で言い聞かせた
紗枝「ふぅ、早く行かないと遅刻しちゃう」足早に だけど、どこか少し拒んでいる。
正しいんだ
私は正しい
だから
私は正しくない
学校に着く 門前で先生が朝の挨拶をしている「みんなおはよー」
(朝から大きな声は出したくないなぁ)挨拶している先生に会釈をしてやり過ごす、下駄箱に行き上履きに履き替え教室へ。
ドアを開けて教室に入るも挨拶はない、私はいわゆる陰キャと言う部類だ
自分の席につきさっき友達に渡された宿題を写す。
今回の宿題はさほど多くはない、だからと言って同じことをするのは面倒くさいと言うことに変わりはない カキカキ カキカキ
集中していた、だから気づかなかった キーンコーンカーンコーン
先生が教室に入り「ホームルーム始めるぞー」と言いながら教卓へ
ギリギリで写し終え手前を見る。
先生「えーっと最近夜に外出している中学生が多いいと苦情がきた、知っていると思うが夜の外出はいけないことってのは知ってるよな?」
先生「だがそれでも夜に外に出る奴がいるから各教職員が夕方見回ることになった、何度も言うが夜は外に出歩くなよ」
私には関係ないとうつ伏せになり寝る準備をしていた
(夜に遊びにくことがない私からしたら関係のないことだよね)
と思いながら眠りについた。
…い (んー)お…! (なんか言ってる…?)
「おい!」 ビクッ!? 顔を上げる、友達だ
友達「何寝てんの?写してくれてるよね?次必要なんだけど」
紗枝「あ、う うんできてるよ」
友達「じゃあ早く渡してくんない?」
ノートを渡す
友達「できてるならさっさと持ってきてくんない?私わざわざ彼氏待たせてるんだから考えてよ」
紗枝「ごめん」
友達「ほんと自己中」
不機嫌になりながら教室を出ていった
(私、間違ってるのかな)
昔から困ってる人がいたら放っては置けなかった、重いものを運ぶおばあちゃん
怪我をした子供 泣いている迷子 友達たちの相談
困っている人を助けていたら断れなくなっていた、それが今の私だ
だけど一回だけ見て見ぬふりをしたことがある それを見ていた同級生がこう言った
「お前ひとが困ってたのに助けねぇとか最低だな」
「そうよ、紗枝ちゃんがそんなだと思わなかった」
「鈴美蘭さんって最低」
職員室に呼ばれた
「なんで見捨てたんだ?困っている人がいるのに、人を助けない人は最低な人間なんだぞ」
うるさい、うるさい、うるさい 今までずっと困っている人を助けてきた
あの時私は親の手伝いをしていたのに、その子の周りに人がいたのに
私が親に呼ばれて家に帰っただけなのに。
お母さんはきっと味方してくれる、学校なんて嫌いだ
家に帰る 玄関を開けて 「ただい…」パチン!
頬に痛みが走った
「学校の先生から連絡が来たけどどうゆうこと?困ってる人がいるのに助けないなんて、なんでそんな子に育ったの?お母さん恥ずかしくてお外に出れないじゃない」
なんで? そんなに悪いことなの? 私は悪くてあの時近くにいた人達は良い
人達なの?
「何してるの、早くその子に謝ってきなさい!」
そこから先の記憶はあまりない、謝ったのだろう きっと
良い子ね 正しいことよ 偉いわね これからもそのまま良い子でいてね
(!?)
目が覚めた 辺りを見渡す キョロキョロ
誰も居なかった、よくよく外を見たら暗くなっていた
時計を見た
夕方19;28
紗枝「やっば!こんな時間まで寝てたなんて…」良い子、良い子
紗枝「…帰ろ」
鞄を持ち靴を履き替えて門を出る、その時朝の先生の言葉を思い出した
(見回りか、出会うと面倒くさそうだけどいつもの道は人通り少ないから大丈夫かな?)
小走り混じりで夜道を歩く、いつもの道でも暗いというだけで雰囲気が全く違う
2分ぐらい早歩きをしていたらいつもの公園の前に着いた
(ふぅ、少し休憩)公園の中に入りベンチに座ろうと中央に行くそこにしかこの公園にベンチは無いからだ。
中央に向かい歩いていると大きな遊具が見えてきた「!?」
驚いた、中央にはドーム状の遊具があるのだがその上に男の子が座っているのだ
男の子「…」 上を見ている
ついつい私も見上げてしまった 目に映るその空は 光に満ちていた。
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