命の魔女

ひいらぎちゃん

おしまいの魔法

 死んでしまう、と思った。


 目の前に倒れたその子は息も絶え絶え、誰が見たって虫の息で、


 このままでは死んでしまう、なんて言葉にする必要もなくわかった。


 それなら、どうするべきだろう。


 この命をどう使うべきだろう。


 そんな考えが頭をよぎって、少し笑う。


 愚問だ。


 どう使うべきかなど、愚問だ。


 何のためにこの命はある。なぜこの命を持ってここにいる。愚問だ。全ては愚問だ。理由だとか、意義だとか、そんなものは甚だどうでも良い。必要なのは──


「なぁ、一つ聞く。喋るのも苦しいだろうが、答えてほしい」


 薄らぐ瞳は魔女を見上げる。


「生きたいか?」


 必要なのは、ただ一つの納得だ。


 

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