僕が考える魔法論
@Tacklllll
第1話 はじまりの魔法
2024年4月8日
僕は堕落した日常を送っていた。昨日したことはご飯を食べることとゲームすることお風呂に入ることだけ。ただこの日は眠れずに本を読んでいた。異世界ファンタジーだ。この手の話で外せないのは魔法なのだが
「魔力は何に返還されてるんだ?例えば、火の魔法は魔力が酸素に変換されて?もしくは高熱を生み出している?あるいは火吹き芸のごとく魔力をアルコールにし霧状に...」
そんなことをつぶやいているとあたりがうっすら明るみが増し、身体に何かエネルギーが...初めての感触だが間違いない。魔力が頭から足先まで満ちた。
《あなたは転生体に選ばれました》
唐突に起きた出来事に心が躍った。転生とかいう陳腐なものじゃない。足元に出でた希望。
「魔法だ...」
初めての魔法陣に恍惚としていると強烈な光が僕の目を眩ませた。そして身体が溶けるような混ざるような言葉では表せない感覚に堕ち、肌に触れる空気が変わっていく。
《この世界で行うことは魔王を倒すことです》
どうでもいい...いや、待てよ?ゲームによっては無限に魔法を撃ってくるやついたな。魔力で生きているやつもいたはずだ。好奇心が収まらない。早く世界に足をつけさせてくれ。
《転生特典は魔法の知識》
おい。変に卑屈だからわかるぞ。要らないやつをもらってくれる人を探していたな?膨大な魔力でもなく、特別な魔法でもない。ただの知識をもらう人を。...うれしいけど。
《さあ、旅立ちの時です》
光はまだ取れないが手は握れるし足裏に地面を感じる。どうやらついたらしい。魔法がある異世界に。
______________________________________
一呼吸置くと光が取れていく。なにも見えない。目をこする。ぼんやり。転生の後遺症だろうか?空気がきれいだから深呼吸を行う。
数分後意識がはっきりし目も慣れてきた。そして理解した。夜の草原に立たされている。
「なぜ!?!?」
叫んでも何もない...と思ったが音が聞こえてきた。こちらに近づいてくる。ぺちゃぁぴちゃぁと。声に寄ってきたのだろう。誰でも想像に難くない。スライム状の生物...だ。
人間恐怖すればするほど逃げれないらしいがまさに。足に力が入らず尻が地面についた。よくわからないものが近づいてくる。怖い。何なんだ。足に上ってきた!
「や...やめてくれっ...」
そう言うとその生物は止まった。がすぐ動き出した。けれどその止まった一瞬で思い出した。魔法に魅せられてこの世界に来たんじゃないか。
「魔法の知識!」
生物が少し止まった以外何も起きなかった。膝らへんまで近づいてきてる。
「けど少しわかった。しゃべる間生物はとまっている。話しながら考えよう」
息継ぎのタイミングで少しずつ動いている。早く打開しなければ。
「魔法を使いたいが直接知識を埋め込まれたわけじゃない」
膝を超え太ももらへんに来ている。
「おそらく、一度に記憶すると脳に異常をきたすのだろう」
じりじり上ってくる。生物が少し力んでいる...?
「きっかけだ、きっかけが必要らしい」
といっても草原だ。何かあるようには...
「いやある、これにかけるしかない」
そう言い僕は草を口に入れた。一秒も満たないうちに生物はとびかかってきた。顔、胴、足が固定され動かないし呼吸ができない。数秒で決着がつく。今記憶から草の魔法を開花させたが...どうしようもない...
息が苦しい。くそ。転生させたやつ一発は殴る。こんなスライムごときに...核さえわかれば......?この身体に当たっている個体が核だ!
わかるや否やそこに目掛け腕を伸ばし核を爪で傷つけた。すると拘束が極端に弱くなり、すぐ吐き出し振り払った。
「くっそ、口いっぱい苦くしたのによ...」
〈魔法の知識〉はきっかけを与えることで知識が芽生えるスキルだった。食べることがきっかけだと賭け実行し見事成功した。しかし草の魔法は魔力を草にするだけの魔法だった。攻撃手段がなかったのだ。絶望しあきらめかけた瞬間、スライムについて理解した!〈魔法の知識〉唱える魔法だけでなく魔法生物にも精通していた!液体に触れていても何ともなかったが、スライムは核が本体であり本体に触れることで知識が生み出された。
「敵一体と...戦うだけで...かなり...疲れた...」
ここにきてから10分経ってるかも怪しいのに相当疲れた。だがいい知識も得た。スライムは種類が豊富だが今回対峙したスライムは他の魔物がいない平穏な草原のみに生息し、障害物をよけて進む。つまり草魔法で自分の周囲に山を作るだけでこの場所は魔物に襲われなくなる。
知りたいことが多すぎる。けど夜で何も見当たらない。今は安全だし時間もある。今日はもう寝よう。
つづくかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます