あなたが笑うから

@Japan__123

あなたが笑うから

  日は登らず 月は帰らず


「あなたはなぜ笑うの?」

一人の少女が聞いた。


「なんで笑うんでしょうね。」


「あなたは笑ってるのになんで分からないの?分からずに笑ってるの?」


「そうですね、楽しいからでしょうか?」


「あなたは今楽しいの?」


「えぇ、それはとっても楽しいものですよ。」


「この目で美しい景色が見えてますから。」


「そう。その美しい景色はいくらで買えるの?」


「そうですね。いくらでしょうか。」


「高いの?安いの?」


「うーん。高い安いじゃなくて値段が付けれない程美しい風景ってことです。」


「この世界に値段のつけれないものってあるの?」


「えぇ、愛とか。」


「愛?それは何?笑うもの?美しいもの?」


「そうですね。それは人それぞれだと思います。」


「私にも愛ってあるの?」


「えぇ、誰しも初めての愛はお母さんから貰うのです。そしてその後自分自身が愛を誰かに分けてあげます。」


「そうなのね。じゃあ私もお母さんからの愛があるのね。」


「そうですとも、この世に生きるすべての生き物には愛があるんじゃないんですか?私はあまり詳しくないので分からないですが。」



「ふうん。因みに今あなたの目には何が見えてるの?」


「そうですね。ここからは綺麗な夕日が見えますよ。」


「そう。それは良かったわね。」


「ではそろそろいきましょうか。」


「えぇ、良い話が出来たわ。お母様に教えてあげなきゃね。」

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