私の人生日記帳

☁静月夜☾

1日目



恐怖は、小学4年生から始まった。



「ミリ、ダメだよダメ!」


「いいよいいよ。誰もいないし。ほら、セリも来なよ」



私、武内たけうち 芹菜せりな


今、友達の斎藤さいとう 美利みりと遊んでる。


ミリは話し上手なだけあって一緒に話すは楽しい。


だけど、本当に困った性格なんだ。


刺激欲しさに地域のルールを破ったり、身に危ない行為をしたりなんかしてる。


今も、地域の公園と民家の居住地を挟んだ塀を登ろうとしている。


友達だから無理やり引き離すこともアレだし、私にはやめてということしかできない。



「防犯カメラがあるから、このあと警察に事情聴取されるかもよ!?お家の人に連絡されちゃうよ‼」


「ん~っ。もうやめるから」



そう言ってミリはやっと塀から降りた。


安心でため息が出る。



「もう本当にやめてよ!次やったら友達やめるからね‼」


「わかったわかった。もうやんないって」



そう言われても、この前もそう言ったばっかりだった。


これ以上、ミリに振り回されるのはイヤだ。

だから、もう友達をやめようと思ってる。


でも、その言葉が上手く言えないまま、ずっと友達として遊んでいる。


今ここで友達をやめていれば、あんなことにはならなかったのに。




 -❀≁✿-




「セレ、ニナ」



ミリは学校で、主に三人でいる。


1人は小倉こぐら せれな。


2人目ははやし 似奈にな


2人もミリと同じで、刺激欲しさにルールを破ったりなんかしている。


でも、先生の前ではいい子ぶっているから、問題視はされていない。


そんな3人が、トイレの前で何かとコソコソ話をしていた。


その光景を見た私は、嫌な予感しかしなかった――――…。




「セリ~!」



ちょうど昼休みの時間、友達と楽しく会話をしていたら、ミリに呼ばれた。


するとミリは私を無理やり引きずって、女子トイレの前まで連れてきた。



「ちょっと来て」



ここで嫌だと言ったら、必ず面倒臭いことになる。


言われるがままにミリについていき、女子トイレの個室に入れられた。


個室でミリと二人きり。


どうも不安しか頭になかった。


すると、誰かが隣の個室に入った足音がした。

同時に、ミリは私に「見てて」と口パクをした。


するとミリが便座を使い、トイレットペーパーを置く棚の上に登った。


そして、誰かしらが使っているだろう個室を覗き込んだ。


本当に、一瞬のことだったんだ。


漫画でしかありえないくらいに、私の体は凍っていた。


そして数秒間覗いた後、静かに床へ下りた。


「3組の安藤あんどう実梨みのり。普通にトイレしてた」


つまんないの、とつぶやくミリが、心底悪魔にしか見えない。


悪ガキの領域を超えてる。犯罪だ。


凍り付いた私を、どうした?と言って覗き込むミリ。


「なんでもないよ………」


青ざめる私の顔を、疑うように見つめるミリ。


「ほら、早く出よ!授業始まっちゃうから」


「わかった」


そう言って、私達は女子トイレを後にした。
























  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私の人生日記帳 ☁静月夜☾ @Serena_0015

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ