第13話 いざ天空の国へ

「なぁ、キラ、何で、ブルースカイアにしたんだ?」


メイリィが聞いてくるが、説明はアランがしてくれるだろう。


「実は、俺の知り合いから手紙が来ててな、今ソイツが大変らしい。」

「らしい?」

「あぁ、細い事は書いてなかった、けど、ソイツは俺の昔の友達だ。」

「だから…いいか?」


俺達の答えは決まってる。


「行こう!」

「みんな、ありがとう!」


数日後、俺達は目的地に着いた。


「お〜、見ろよキラ、本当に空に国が浮いてるぞ、すごいな…」


メイリィがひっくり返りそうな程に上を見ている。


「で、どうやってあの場所に行くんだい?」


クロが聞くとアランが答えた。


「確か、あの建物に行けば上に行く方法があるって書いていたな。」


アランに付いていき、俺達は古そうな建物に着いた。


「此処から行けるのか?」


すると建物の影からこちらをこっそり見ている女の子がいた。


「あの〜」


声を掛けると女の子は慌てて隠れるが、老人にローブを掴まれ出てくる。


「ちょ、師匠ぅ〜、やめてぇ〜、」

「テラ!人見知りしてたら魔女にはなれんぞ!」

「うぅ〜そうだけど…」


何かを話しながらこっちに来る。

よく見ると弱気なエルフだ。


「あんたらブルースカイアに行こうとしてる連中だろ?」


強そうな老人が聞いてくる。


「そうですが、行き方を知っているんですか?」


老人は得意げな顔をして言う。


「儂の転送魔法で行けるぞ。」


思ったより、あっさりと行き方が分かった。


「だが、今回は儂の弟子、テラが転送魔法をする。」


エルフの女の子が慌てる。


「えぇ!?でも…私、」

「テラ、もう少し自信を持ちなさい!」


すると俺の顔を老人が真剣に見る。


「金はいらん、だからこの子にやらせてくれか?冒険者よ!」


俺達は少し困った顔でお互いの顔を見る。


「ちょっと待ってください。」


みんなと話し合った結果。


「いいですよ。」


老人は深く頭を下げる。


「テラ!早速送ってあげなさい!」


エルフの女の子は不安そうな顔で言う。


「分かったよぉ、じ、じゃあ、やるよ!」


エルフの女の子が目を閉じると雰囲気が変わり呪文を唱える。


「汝の道を切り開き、何処までも飛ばす光と成れ!」


俺達の下から魔法陣が浮かび上がり、凄まじい光を放つ。


瞬間移動テレポート!」


俺達は眩しい光りに包まれた。

目を開けると眼の前には賑やかな街があった。


「此処が、ブルースカイアか!」


周りには豪華な屋台が並んでいて、様々な大道芸が披露されていて人集りが出来ている。


「まさか、こんなに賑わってるとは思わなかったよ。」


クロがびっくりしている。


「すげぇ…なぁ!みんなで見に行こうぜ!」


メイリィが服を引っ張る、俺も行こうとしたがアランがこちらを見ている。


「キラ、すまない、ちょっと来てくれないか、」

「あぁ、分かった。」

「ごめん、先にクロとメイリィで見て回っていてくれ。」

「アランの昔の友達に会いに行くのかい?」

「分かったよ、じゃあ先にメイリィと行ってくるね。」


そして俺達は二手に分かれた。

俺とアランは手紙に記された場所に着いた


「ここは、テント?」

「まぁ、入ってみるか…」


俺達は中に入るが誰も居ない。


「おーい誰か居るかー?」

「君達、此処に何の用かな?」


俺達の後ろに音もなく知らない男が立っていた。


「誰だ!」

「おーと失礼、僕はティオ、脚本担当のティオだよ。」

「ティオ、何かあったのか?」

「って、アラン!来てくれたのか!」


またもや知らない男が出てきた。


「久しぶりだな、キラ、紹介するぞ、こいつが俺の友達、サーカス団のクリスだ。」

「クリスか、よろしく、俺はキラだ。」

「あぁ、よろしくな、キラ。」


俺達はクリスに今までの冒険を語った。


「そんな事があったのか、それはすごかったな。」


そしてアランが本題に入る。


「それで、クリス、今回俺達を呼んだのって。」

「あぁ、今する話は内密にしてくれ、それは、」

「この国の事なんだけどな…」


するとクロが慌てて入ってきた。


「どうしたんだ?クロ、そんなに慌てて。」

「キラ、大変だよ、メイリィを見失ってしまった、何処にも居ないよ。」


俺は何故か嫌な予感がした。

 

「さっきまで、屋台の近くに居たはずなのに。」

「俺、ちょっと探してくる。」

「あっ、キラ…」


俺は急いで屋台の並んだ道に着いた。


「おーい、メイリィー、何処に居るー!」


その瞬間、俺は何かに引っ張られ路地裏に入った。


「うっ、何だ?」


俺は何かを刺され、急に眠気が押し押せた。

意識が薄れていく中で誰かを見た。


「これで任務完了、かな、」


俺は気を失った。


雫が地面に堕ちる音、俺は目を覚ました。



「此処は、何処だ?」

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