聖剣を求めて ~ 美少女たちとXXXするために 聖剣が必要なんですっ! ~

もがみ

第1話 

「今日はどの娘を犯そうかな...。」


薄暗い部屋の中でPCモニターを凝視し危ない独り言をつぶやいているのが

私、”霧島凛きりしまりん”24歳性別はである。

昨日美容院でカットしたボブヘヤーの毛先をいじりつつ、

画面上に移る美少女たちを吟味していた。


『”Loud 8 - 栄光ひかりあれ -”』


それが今プレイしているゲームのタイトルだ。

通称ラウドシリーズ、主人公ラウドが様々な種族が混在する世界で

様々な交流や戦闘を通して全世界統一を目指していくRPGゲームであり

本作はそのシリーズ最終章である。

ほかのPRGと異なる点を挙げるとすれば主人公が絶倫で出会う女の子を

片っ端から犯していく所謂、であることだ。

その人数、シリーズ通して約百人以上。

ラウドシリーズで刺さらない女キャラはないと言われるほどである。

一度、Hなシーンを見ると次回からそのシーンだけを鑑賞できるようになるため

その選択画面で私は悩んでいたのであった。

長考したのち金髪ロングのお姫様キャラを選択する。


「今日は王道でティア王女の戦争敗北エンドね。」


何回使ったかわからないおかずではあるが、日課をこなすことにした。

シーン回想が始まるとオートプレイを選択しズボンを下した。


♡♡♡


「ふぅ。」


日課を終えた風呂上り、アイスティーを飲みながら一息ついていた。

明日も仕事なのでそろそろ就寝しなければならない。


「寝る前に新作チェックするか~」


スマホのブラウザを立ち上げお気に入りに登録してあるサイトを立ち上げる。

『新作エロゲーまとめ@wiki』新作はいつもここでチェックしている。


「え、来月新作10作品だけ!?しかも半分以上抜きゲーじゃん」

※『抜きゲー』紳士たちが日課をこなすために特化したエロが主体のゲーム


「がんばれエロゲー業界。

 エロに頼らず面白いゲーム作って、私は応援してるから!」


新作エロゲ情報リサーチしていると新作乙女ゲーが目に留まった。

(女性なら本来こういうゲームを買うべきなんだろうな。)


「女らしくか――。」


過去の苦い記憶がフラッシュバックする。

途端に気分が悪くなり呼吸が荒くなる。


「ちょっと嫌なこと思い出したし今日はもう寝よう。」


スマホの目覚ましをセットして目を閉じる。

「明日はいいことあればいいな」と思いながら静かに瞳を閉じる。

次に目を開けたとき、とんでもないことが起こることになるとはつゆ知らず。


◇◇◇


「■■■■■、■■■」


誰かの声がする。

一人暮らしのため外で誰かが話しているのだろう。

よくあることなのだが声量は考えてほしい。

(アラームが鳴るまではベッドで寝てよう。)

二度寝をしようとしたその時。


「■■■■■、■■■!」

ゆさゆさと体を揺さぶられる。

どうやら、私に話かけているようだ。


「えっ!!?」


驚いて飛び起きる、自分以外が部屋にいるわけがない。

突然の侵入者に身構えるが、侵入者は意外な人物だった。


「■■■?」


目が合う。

赤い瞳に腰まで伸ばしたプラチナブロンドの髪

身長的に小学生ぐらいの年齢に見える。

なんと、侵入者は幼女だったのだ。


「あなたは誰?」


「■■■■■■■■■■■」


どうやら言葉が通じていない。

周囲を見渡してみるとそこは私の知っている風景ではない。

住んでいるアパートはコンクリート打ちっぱなしなのだが、

ここは壁に木目があり丸太小屋のような作りになっている。

私が戸惑っていると突然頭の中に声が入ってきた。


(もしもし~。きこえてますかぁ~?)


「聞こえてるんだけど、あなたも誰...。」


◇◇◇


返事をすると一転して、あたり一面が真っ白になった。

さらに私の前に光の粒子が集まっていき人の形を成型してゆく。

そして、金髪巨乳のお姉さんが全裸で現れる。


「わたしわぁ、この世界の神様です☆」


「とりあえず、服を着てくれませんか。」


同性とはいえオープンにされると少し恥ずかしい。

別の事情もあるのだが。


「ごめんなさ~い☆」


神様はペコリと頭を下げると拍手を一回。

次の瞬間には見慣れた服装に代わっていた。


「それ、セーラー服なんですけど。神様の制服なんでしょうか」


「これわぁー。彼ぴが気に入ってるだけで~す☆」


何だろうこの神様、話してるとすごく疲れる。

そんなことよりも要件を聞かないと。


「それで神様が私に何の用です?多分ですけど異世界転生的なあれですよね」


「さすが、オタクさんですね!そうです、あれなんですぅ~☆」


「オタクは余計...。」


それから、神様は私が転生した経緯を説明してくれた。

神様の話によると私は眠った後アパートで火災があり死んでしまう。

本来であれば元居た世界で輪廻転生をするはずなのだが、

どうやら私はそのシステムから外れてしまったとのこと。


「システムから外れることってよくあるんですか。」


「1億人に1人いるかいないかですね~。

 本来、自分が生まれた世界には何らかのえにしが存在しますので、

 それを外れることは私たちから見ても珍しいんですよぉ☆」


「なるほど、そういった場合に別の世界に転生できるんですね!」


「違いま~す。システムから外れた魂は基本消滅ですっ」


「え、消滅ってどういうこと」


「存在そのものが世界すべてから抹消されちゃいます☆

 初めからいなかったことになるってことです。

 死んだ後なので本人には関係のない話かもしれませんね~」


「なにそれ、怖い...。」


「まあ、基本は消滅なんですけど

 ごくまれに別の世界に呼ばれる場合があるんです☆」


「世界に呼ばれる?勇者召喚的な?」


「違いまいまーす☆あなたは勇者召喚されたように見えましたかぁ~?」


たしかに言われてみればそうである。

先ほどの様子は召喚というイレギュラーではなく日常系の一コマだった。


「じゃあなんで呼ばれるんです。」


「通常ではありえない話なんですけどぉ~。

 私の世界がぁ、あなたがこの世界にいると認識してしまったんです☆」


「どういうこと?」


「説明が難しいのですけど簡単にいうとですね~。

 と認識されたんです☆」


「そんなことってあるんですか。そもそもなんでそんなことに?」


「わたしもぉ、超ちょー気になって調べたんですけど、 

 どうやらこの世界がぁあなたがプレイしていたHなゲームの世界に酷似していて~

 そのせいかもしれないわぁ☆」


「もしかしてラウドシリーズですかっ!!?」


「そうそれよ~☆」


「え、本当ですか!!!?」


驚きとうれしさのあまり声が弾んでしまった。

あのラウドシリーズの世界を生身でプレイできるってことになるからだ。

ここで一つの疑問が浮かぶ。


「でもプレイしただけで世界に呼ばれるなら結構な人数がこっちの世界に呼ばれません?」


「それは大丈夫よぉ☆

 この世界に呼ばれたのは今のところあなただけだしぃ~」


「人生すべてを捧げたってくらいの思い入れがないと無理よぉ☆」


「人生すべてですか。」


私は誰よりも美少女たちを愛していただけだが、

確かにラウドシリーズは私の人生を大きく変えてくれたことに変わりはない。


「そろそろ時間みたいです~☆」


「時間?」


神様がだんだんと薄くなってきている。

お別れの時間ということだろうか。


「あれ、なにかもらえたりしないんですか?」


自分の知ってる転生ものだと神様からすごいスキルや、

武器をもらったりするのが定石である。

神様はくすっと笑って。


「そもそもぉ転生できただけでチートですぅ☆

 なので、なしと言いたいところなのですがぁ特別に2つもおまけしちゃいます~」


「え、ありがとうございます!」


「戻ったら確認してみてくださ~い☆

 心の中で『ステータス』って唱えればゲームで見たステータス画面と

 同じものがあなただけに見えるはずですぅ」


それではと神様は軽く手を振って消えていった。


◇◇◇


気が付くと先ほどの光景に戻っていた。

見知らぬ風景、見知らぬ幼女。


「えっと誰だっけ?」


「なに言ってるの?寝ぼけてるの早く起きてよ!

 早く畑に出ないとお母さんに私が怒られるでしょ。」


先ほど全く理解できていなかった言葉が理解できるようになっていた。

どうやら神様が気を使ってくれたみたいだ。

(ありがとうございます神様!ステータス)


【ステータス】

名前:リリム

性別:女

職業:なし

HP:250

MP:60 

職業適性:A 

魔法適正:B

物理適性:E

行動速度:E

ユニークスキル:神様とお茶会(15分)

 30日に一度神様とお茶会が開けます

 茶菓子等は用意してください。 By神様

スキル1:翻訳

 あらゆる言語が解析可能

スキル2:なし

スキル3:なし


「ええええええ?なにこれぇぇぇぇぇ。」


「ふぇ!?」


突然大声を出したため名前も知らない幼女を驚かせてしまった。

そんなことよりも弱い、弱すぎる。

神様は気を使って言葉をわかるようにしてくれたわけではないようだ。

スキルスロットを1つ消費してしまっている。

ラウドシリーズを極めた私から見るとゴミみたいなステータスだった。

それよりも――。


「せめて男に転生したかったぁぁぁぁぁ。」


「お姉ちゃん朝からうるさい!」
















 














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