第27話 お土産購入

 飲み終わり、お会計をして、もう一度撮影スポットを通った。そこを通らないと次へ行けないのだ。さっきはただ写真を撮っただけだったが、今度は自撮りもしてみた。

 そして次は階段を下りて、お土産屋さんへ。階段にはISHIYAと書かれた人形用の劇場があった。そうそう、白い恋人は有名だが、メーカー名はそれほど知られていないのではないだろうか。ISHIYAというらしい。

 階段を降り切ると、なんだかきらびやかな物が見えたが、そちらへ行く前に横へ曲がらなければならないようだった。そこは、イシヤミュージアム。つまり、メーカーの歴史を学ぶところ。学ぶ必要はないかもしれないが、歴代のお菓子や列車模型みたいな物もあって少し面白い。あと、工場の写真とか。

 さっきのきらびやかな所へ行こうかと思ったが、ちらりと気になるものが右の奥の方に見えた。あれ、ローマの休日に出てくる真実の口、だっけ?それっぽい人の顔が突き当りに見える。その手前にはステンドグラスの窓がある廊下が続き、まあ、ローマを表しているのだろう。一応写真を撮ろうと思ってそちらへ近づいていった。2人連れの女性が、手を入れたりして写真を撮っていて、その人たちを写真に入れてはいけないと思い、やっぱり辞めようかと戻りかけた。だが、2人がそこから立ち去ったので、やっぱり写真を撮る事にした。というか、他にここに立ち寄る人が全然いない。みな、素通りしていく。まあ、最初の様々な絵と言い、こちらも、有名な美術品のレプリカで、なぜこれがここにあるのか意味不明だ。でも、せっかくここに来たのに、隅々まで見ないというのはどうなの?

 そして、きらびやかな所へ。吹き抜けのホール。中央の階段は赤い絨毯敷き。そして、電飾がたくさん吊ってある。キンキラ金だ。階段の上で写真を撮られている人がいて、なかなか人を入れないでそのきらびやかさを写真に収めるのが難しい。よって、諦めた。まあ、ホテルや結婚式場でも見られる光景だしね。

 階段を降りて1階へ行くと、お土産が売っているショップがあった。けっこう混んでいる。レジには長い列ができている。レジかごを持って入って行くと、最初に目につくところに、包装してある「白い恋人」がものすごくたくさん並んでいた。9個入りの細長い箱、12個入りの正方形の箱、更に大きいものも。私は早速その正方形の箱を手に取り、どんどんかごに入れ始めた。義母宅と、実家と、妹の家と、弟の家と、もうすぐ会う予定のお友達と。ああ、うちにも。うちは次男と私しか食べないから、9個入りの細長い方でいいか。

 更に、こちらも次男と私しか食べないと思うが、白いバームクーヘンもうちに1つ。とりあえず義務的にはこんな感じかな。と、思ったのだが、思ったはずなのだが、後々そう考えていなかった事が判明するのだった。弟とは会えないかもしれないと思って躊躇したので、何か間違えたのかもしれない。

 あ!欲しい物発見。雑誌でちらりと見かけていたキーホルダーだ。白い恋人の実物大のレプリカ。雑誌には名前を入れてもらえると書いてあり、1個1210円だという事だった。名前は入れなくていいし、ちょっと高いなと思っていたのだが、ここにあるのは880円。よかった、これなら心置きなく買える。やっぱり私は食べ物のレプリカが好きなのだ。本物に似ているほど好きだ。何なら、これが欲しくてここに来たと言っても過言ではない。ただ、白い恋人の中身そのもののキーホルダーと、袋から半分出ている感じのキーホルダーと両方売っていて、どちらを買うか迷った。迷ったが、やっぱり中身そのものの方が、本物っぽくて美味しそうで、そっちを買う事にした。

 更にあれこれ見ていると、ああ!さっきレストランで見たクッションが売っている!真空パックみたいなのに入っていて、グルグル巻かれて売っていた。袋から出すと膨らむと書いてある。そして、なんとあれ、緑色の袋が表で、ファスナーを開けて表裏をひっくり返すと、中身の、私がさっき寄りかかった肌色のクッションになるというのだ。びっくりだ。さっき寄りかかって、腰がとても楽だったし、3千円という、まあまあ買えるお値段。買うかどうか真剣に悩んだ。だが、かなり嵩張る。それに、クッションなら他に欲しい物があって、それを躊躇して未だに買っていないのに、今これを買ってしまうのは……やめておこう。スーツケースに入らなくなる。あまり重たくなったらまた車輪が更に壊れるかもしれない。いや、新しいスーツケースを買うのか?買わない方がいい気がするのだが。後でネットでじっくり吟味して買った方が良い物が買えそうだし。

 それから、白い恋人のホワイトチョコではないバージョンの物も、新発売されている模様。ホワイトチョコもいいけれど、黒いチョコの方が私としては好みかもしれない。欲しいと思ったのだが、お値段を見て一瞬で却下。比較的ホワイトチョコの白い恋人がお手頃価格なのに対し、なんだかすごくお高い。後々ネットで調べたところ、24枚入りや36枚入りならば、普通の値段でホワイトとブラックが両方入っている物が売っているようだが。

 さて、気が付けばレジに出来ていた列は短くなっていた。さっき、人が並んでいて見られなかった場所も一応見て、レジに行った。小分けの袋は有料だと言われ、要らないと言うと、全てを1つの袋に入れてくれた。その袋は無料だそうだ。その袋とは、やはり白い恋人のパッケージの緑色の紙袋。一目でこれってわかるやつ。ああ、色々買えて満足じゃ。

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