メール2.txt
件名:サークルでの活動について
From XXXXXX
宛先:xxxxxxxxx@xxxxxxxxxx
日:2023/06/24
XXXXXさん
記事の完成まであと少しですね。聞きましたよ。
私も心待ちにしています。
昨日マナさんが私の元に来ました。
39号館の私の研究室を訪れ、私の前に立ったんです。
すばらしい人ですね、彼女は。
あの声を聞くだけで脳が震えます。
脳が震えて、震えすぎて、崩れちゃいました。
私の目と耳と鼻と口の穴から血と脳のぐちゃぐちゃが飛び出しました。
私の目と耳と鼻と口の穴からから出た血と脳のぐちゃぐちゃが研究室の床に広がって、マナさんの足元を彩りました。
とてもお似合いでした。
彼女こそ本物です。
本物の女の子です。
もうすぐ完成ですね。
XXXXXさんも、よく頑張りました。
同じ女性として誇らしい。
地獄で貴女をお待ちしています。
=============
XXX大学 文学部 XXXXXX
xxxxxxxxx@xxxxxxxxxx
xxx-xxxx-xxxx
=============
◆
件名:早く来い!
From XXX
宛先:xxxxxxxxx@xxxxxxxxxx
日:2023/06/24
XXXXX、いつまで待たせるの!
なんてね、XXXXXが遅いのはいつものことだから気にしてないよ笑
ちゃんと記事は書けてる?
マナに失礼はない?
XXXXXは、私がいないとどうしようもないので心配です。
ちゃんと一人で死ねる?
中学の時のことを覚えていますか?バスケ部の先輩から同期まで全員にクソミソに悪口とボールをぶつけられてて、私に「死にたい死にたい」って毎日LINEしていた頃のこと。中体連が終わって最初の休み、近所のビルに忍び込んだじゃん。その屋上で私に電話を掛けてきて二時間話したね。それでXXXXXは「ありがとう。XXXちゃんのお陰で元気になったよ」って家に帰ったの。
とても笑えました。
「私が死ねって言わないとこの子は一人で死ぬこともできないんだ」と、腹を抱えて笑いました。XXXXXがたまたま部内で足が速くて調子に乗っていたから、先輩や同期をけしかけただけだったのに。あんなケッサクが見れるとは思わなかったよ。
もう私は死んじゃったからいないわけだけど、マナはいるからね。
マナの言うことをちゃんと聞いて、いい子にするんだよ。
XXXXX、早く死ね。
◆
件名:まだ終わらないの?
From 母
宛先:xxxxxxxxx@xxxxxxxxxx
日:2023/06/24
XXXXX、早く記事を終わらせて。
お母さん、もう待ちくたびれちゃった。
XXXXX、早く記事を終わらせて、死んで。
お前がいつまでも待たせるから、お母さんの血はもう乾いちゃいました。
もう顔も服も血でパキパキです。
誰が片付けると思っているの、しょうのない子。
お前には本当にがっかり。どうしてこんな子に育ってしまったのでしょう。
高校までの、家で暮らしていた頃は可愛かったのに。
大学に行ってすっかり変わってしまった。
私が買った服以外の全然似合わない服を着て、私が読まないような本を読んで、私が嫌いな芸人のYouTubeの話をするようになって。ブサイクで頭の悪いいやな子になってしまった。こんな子にするはずじゃなかったのに。
私の家で暮らしていた頃のXXXXXは、ちゃんと私の考えを読み取って返事してくれるいい子でした。どうして私のことを無視するようになったの。
もう私の希望はマナだけです。
あの子だけが本物。
あの子だけが本当の私の娘。
マナとなら、近所でも評判になる、友達みたいな親子になれるはずなんです。
だから、もうXXXXXはいらないから。
XXXXX、早く記事を終わらせて、死んで。
今晩マナと貴方のところに行きますから、待っていなさい。
お母さんより
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます