第16話 琢磨君は気づいたみたいです(きらら編)
朝がやってきました。
琢磨君の体温に興奮してしまい、二時間ぽっちの睡眠しかとれませんでした。好きな人と眠るのは、諸刃の剣みたいです。
琢磨君は起きると、目をごしごしとこすります。さりげない仕草なのに、ドキッとしてしまいます。恋の病にかかると、正常な思考回路は失われるみたいですね。
「琢磨君、おはよう・・・・・・」
「きららちゃん、おはよう・・・・・・」
眠気を吹き飛ばすために、大好きな人をハグすることにしました。
「きららちゃん、朝から積極的だね」
「琢磨君、私の気持ちに気づいてくれた?」
「きららちゃんの気持ち・・・・・・」
琢磨君は腕組みをして、必死に答えをふりしぼろうとしています。もどかしさを感じながらも、じっと待つことにしました。
「絶対にありえないと思うけど、きららちゃんに好かれているとか・・・・・・」
絶対にありえないは余計です。そんなものをつけられたら、せっかくの雰囲気は悪くなってしまいます。
「前半の部分は余計だけど、後半の部分はあっているよ」
琢磨君はあまりに驚いたのか、目が飛び出しそうになっていました。
「きららちゃん・・・・・・」
「お弁当を作るのも、ハグをするのも、裸を見せるのも、二人きりで眠るのも、大好きな人だからできるんだよ。それくらいは気づけるようになろうね」
「小学校時代と同じだったから、昨日は全然わからなかったよ」
本心に気づいてくれたので、これ以上は咎めないようにしましょう。ねちっこいと思われると、いろいろと面倒なことになりますから。
「琢磨君、おつきあいを始めましょう」
「きららちゃん・・・・・・」
空気を読まない男のほっぺを、力いっぱいにつねってやりました。
「きららちゃん、いたい、いたいよ・・・・・・」
痛そうにしていたので、手をゆっくりとはなしました。
「はい、Yes、OKのどれかで返事してね」
どれも同じであることに、話をしてから気づきました。好きな人と交際したくて、我を失っていました。
「はい。おつきあいをさせていただきたいです」
琢磨君と交際できることに、喜びを爆発させます。あまりに喜びすぎたのか、琢磨君はちょっとだけひいていました。
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