異世界学園の七不思議 

モトキ(冬)

プロローグ

 ここは剣と魔法の異世界。人が火を吹き水を生み天地を割る。全ては「魔力」、森羅万象を生み出す万能エネルギーの存在が、それらを可能とするのだ。


「あらゆる生命は魔力から生まれ、死してまた魔力に戻る」


 命の起源も死後の行方も、「魔力」やそれを用いた「魔法」によって説明できるのだから、この世界の人々は「霊魂」という概念に馴染みがない。


 しかしそれは、【転生者】がこの世界を訪れる前の話である。別世界の住人である彼らがもたらした、全く新しい「死生観」。これにより「お化け」や「怪談」、「都市伝説」といった文化が急速に普及した。

 

 異世界オカルトブームの始まりである。

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